見出し画像

路面の衝撃を和らげるには・・Vol.3

前回は、クッションについてお伝えしました。今回はバックサポートです。バックサポートとは背もたれのことです。車椅子には、フレームの間に布が貼られています。あるいは、マジックテープが何本かあり、その上に薄いウレタンのシートが貼られています。これらが多くの方が思い浮かべるバックサポートだと思います。

今回、ご紹介するのはハードシェルタイプのバックサポートです。

椅子やソファを思い出してください。背もたれのもたれかかる部分、多くの場合はしっかりした木やアルミなどの枠に薄いクッションがついていると思います。しっかりした枠とやわらかいクッション。この構造で車椅子用に作られたのがハードシェルタイプのバックサポートです。

路面からの衝撃緩和について、Vol.2でジェルよりもエアーがすぐれているということをお伝えしました。これは、バックサポートにおいても同じことが言えます。タイヤやキャスターから伝わった衝撃はバックサポートで前後、左右の揺れとして背中に伝わります。特にキャスターが拾った上下運動が、バックサポートに伝わった時に、背中を叩くような衝撃になります。背中は設置面積が広いので、その衝撃は背中全体、つまり上半身全体に及ぶのです。これが体を疲れさせる原因となります。

その衝撃を緩和するのが、エアークッションを使ったハードシェルタイプのバックサポートです。ハードシェルタイプは、車椅子にもともとついていたシートを取り外して、取付金具をフレームに設置する作業が必要となります。そのため、取り付けられない車椅子もあります。また、円背の角度が大きいと使えない、などの制約もあります。

バックサポートは工具なしで取り外しができるので、外せば車椅子の折り畳みもできます。ただ、ちょっとしたコツが必要なことと、ハードシェルは単体でも重いので力も必要です。上肢に障害があり、自分で車のトランクに積んで使いたい方には不向きかもしれません。実際に試してみて、変更に伴うデメリットも確認することをお勧めします。

障害者手帳の場合は、ハードシェルタイプのバックサポートは補装具の完成用部品となり基本的に判定が必要となります。こちらもまずは事業所に相談してみてください。

介護保険の場合は、取り扱っている福祉貸与事業所が少ないのが現状です。車椅子の部品を変更してレンタルしてはいけないという卸会社もありますし、残念ながら、存在を知らない福祉用具専門相談員もいるかもしれませんが、まずはお近くの事業所に相談してください。

よろしければサポートをお願いいたします。 車椅子ユーザーと家族、支援者が幸福な介護現場を実現するために、「車椅子事故ゼロ」を目指して啓もう活動をしています。 いただきましたサポートは、今後の活動費に使わせていただきます。あなたのサポートを頂けますと嬉しいです。