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#94 愛を求める

昔から自分の根っこには嫉妬という植物が生えている。25年も経つとその植物の根は自分の心の奥深くにまで伸びていてもう剥がすことはできない。

きっとその植物が栄養としているものは
「他人からの愛が自分に向いていないと感じる瞬間」だ。

自分が3歳の頃弟が生まれ、親からはお兄ちゃんだからちゃんとしなさいと事あるごとに言われ続けた。
4〜5歳児にとって兄として振る舞う事を意識するのはとても大変で、その頃から自分のやりたい事、好きな事はほぼほぼ捨てていく作業が続いた。

ものすごい早い段階での精神面の断捨離である

3歳の頃親の後ろから周りを覗いていた自分にとって
なかなか酷な事だった。
周りの子はワガママに暴れたり、泣いたりしていたのに

幼稚園から高校まで頭の中心にあるのは、

「母が嫌がることはしないように、怒らせないように空気を読む。」

これだけだった。

自分のことはなるべく穏便に済ます。
毎日これの繰り返し。
学校にいる時が一番幸せだった
家に帰ると不服そうにしてタバコとお酒を飲み吸いしている母が待っている。

気づくと、自分の人生に対しての興味がなくなった

親を周りを常に笑顔にするには。

それしか考えられなくなっていた

周りはなりたい職業ができ前を向いている中
自分は、現時点が全てだった。
未来の事なんて考えられなかった。

親の言う通り動くことへの嬉しさしか自分が満たされる瞬間がなかった。
10年以上そんなことをしていたら自我なんてほぼ無くなる。
結果自分の進路を選ぶ際に分厚い壁にぶち当たる


「あれ。自分は何がしたいんだっけ?」


親に洗脳された人間は自我を無くして人形のようにいい人を演じることが上手いだけの人になる。

結果、個性なんてものが他の人よりも目立たなく
ごくごく普通な人間が出来上がる。

何かしら特技や自分の才能を開花させていかなければ生きていけないのに普通という特技を持っても特に活かせる時がない。

親から離れてからようやく自分がやりたい事がじわじわと湧いてきた。
周りの人達の活動に比べたら大した事ないかもしれないけれど

今は、自分が表現したい事が一番伝えられるコンテンツを探す。
YouTube、instagram、動画、音楽。

どれも今光を浴びているコンテンツばかり
きっと承認欲求から来ているんだと思う。

今まであまり褒められてこなかったから
誰かに「すごいね、ありがとう、好き」だと認めてもらいたいんだと。

常に他人の目を引きたい気持ちを隠し持っていて
他人からの愛を欲するようになった。

人生の中で数少ないけれど恋愛をしても元々感情を表に出さない環境で
育ったからか上手く表現できず
言葉で伝えたり、体で表現できないまま終わる。
結果自分自身の中で舞い上がって終わっていった。

周りのカップルを見てもあんな風な関係でいれる人って出てくるのかなと思うくらい今は恋愛とは無縁な生活をしている。

なんとも悲しい毎日。
でも、動画制作はできているのでそこで空いた穴を埋めながら生きている。

元々自分は結婚しない、自分の子供はいらないと決めているので
異性からの愛は捨てていかないといけないことの一つだけれど

人間に生まれてしまったので異性はつきもので(魚のように性別は変わらないし)
異性に助けられる事が多いのも事実で自分の性別がどっちなのかが分からなくなることもあったり。

何を持って性別を語るのかもあやふやになってきた時代だし。

とにかく、今日も形のない「愛」を体は求めている。


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