1話「奮起」47歳、まだ何者でもないワタシ物語

1話 奮起

そもそも、なぜこの歳で何者かを目指し足掻くかといえば。

単純に「金」である。

2児のひとりがいよいよ大学進学を果たし、地方から巣立ち行く春。目玉が飛び出るほどの莫大な札束も羽ばたいていく。

しかもそれは始まりに過ぎない。これから数年、札束は瞬間的にワタシの元に訪れるが留まることなく駆け抜けていくだろう。

本人の弛まぬ努力(・・まぁ、ぶっちゃけ弛んでた時もあったが、メリハリの範疇と捉えることにする)によって勝ち得た未来切符。

だったら親もそれに応えてやらねばならぬ。

ならぬのだ!

ならぬのだがしかし!!

それは簡単なことではない。

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