『国宝 燕子花図屏風-色彩の誘惑-』(根津美術館)からの『国宝 鳥獣戯画のすべて』(東京国立博物館)
国宝めぐりの1日でしたーーー!!!!
まずは、根津美術館。
『国宝 燕子花図屏風-色彩の誘惑-』
3月以来の根津美術館!
あの時からこの季節を楽しみにしてたんだよねー!
なんと美術館の入口とお庭の入口にこんな看板が
「今朝のカキツバタ」
「今日のわんこ」的なお知らせ😆
これで心づもりをしてお庭に降りて行けるね!
とりあえず、光琳の屏風を見る前にホンモノを拝もう🙏ということで、まずはお庭に。
3月に来た時より緑が鮮やかになってるー!
歩いてるだけで気持ちいい~
ここが表参道なのを忘れちゃうね。
すごい、池が見えなくなるほど緑がふさふさ!
3月はこんなだったのに。
緑はふさふさになってるけど、肝心の燕子花はまだぽつぽつ咲き。
もう少しかな~。
まあでも、緑と青のコントラストがとても綺麗。
見られてよかったー!
連れが燕子花としょうぶとあやめの違いを付け焼き刃的に調べてきてくれたのを、付け焼き刃的に聞く私。
生息地が、あやめは乾いた土地で 燕子花としょうぶは湿地だったり、花の模様や大きさが違うそう。←まさに付け焼き刃みあふれる知識
池の傍で燕子花を写真に撮ってるご夫婦がいらして、少しお話したんだけど、毎年燕子花を見にいらしているのだそうで。
なんか、、、いいなあ😊
先程の私たちの付け焼き刃トークが聞こえていたのか、ご主人が
「五千円札に印刷されてるのは、燕子花だよ」
と、教えてくださった。
そもそも五千円札に植物が印刷されていたことすら覚えがなくて、すぐにお財布から出して確認したらほんとに燕子花的な花が印刷されていて、それはしょうぶでもあやめでもなく燕子花だそうな。
うふふ。楽しい豆知識をいただいた😆
ということで、そろそろ光琳の燕子花図屏風を見に行くことに。
【展示室1】聖なる青・緑・金
まず最初の展示は、絵画ではなく経文。
深い紺色の紙に金で経文がとても映える。
「陰持入経」
「大般若経巻二百三」
これは植物の藍で染めた紙なのだそう。
当初は防虫効果のための染めだったのが、仏教において青は仏の国の土を覆う宝石の瑠璃と同じ色として、ありがたさを感じさせるので広く使われるようになったと。
銀泥で罫線をひき、金泥で経文を書く。
コントラストが美しい✨
その後も色の鮮やかな曼荼羅や絵巻が並ぶ。
「仙山楼閣図巻」(伝 趙伯驌筆)
金碧山水の作例。すごい!山々の色がチェレステだ✨
なんて鮮やかな山水図!
「酒呑童子絵巻」(伝 狩野山楽筆)
やっぱりお会いしましたね、狩野派よw
「兜率天(とそつてん)曼荼羅」
コレ見た時はテンション爆上がりしました!
脳内天魔王が「六欲天をご存知か?」と天魔王ロックを歌い始めるほどに🤣
【展示室2】金屏風に息づく色の伝統
いよいよ金屏風のターン!!!!
と、逸る心を抑えつつ進むと、いきなり
「松槙図屏風」の解説文
「江戸時代の土佐派の画家・光成が、土佐光信の筆と極めるが、その可能性は低い」って。
屏風にはしっかり署名までされてるのに全否定なのがめちゃくちゃ面白かった!
そこまで断言できるほど正確にわかるものなのか~っていう驚きと、根津美術館は土佐派と狩野派の展示の時も結構辛口な解説文があって、バッサリ感が面白いなあと。
解説文やイヤホンガイドの内容って学芸員さんが書いてるんだよね?
だから美術館によって個性が出るんだね!
辛口だったり、ツッコミ多めだったり、初心者に目線を合わせてくれてたり😆
そして、いよいよ。
「国宝 燕子花図屏風」(尾形光琳筆)
ババーーーンと、6曲1双✨
迫力✨
屏風の折り目が群生する燕子花の奥行を出してる。
右隻と左隻で構図が違うのは、呉服屋の生まれで着物のデザインもする光琳ならではのセンスなのね。
とにかく金に青が映える映える!!
解説文にも
「発色の良い高価な絵具を使う機会を得た光琳の心は高揚していたに違いない」
ってあったけど(やっぱり面白いなあ解説文w)
ほんとにたっぷり青色を使って描いてるのが見てとれる。
特に左隻の燕子花は青が濃く、より金屏風に映える。
こうなると俄然、お庭の燕子花の満開の景色も見たくなるなあ。
今回、特別出品で絵具になる鉱石や石も展示されていた。
金は「自然金」
青は「藍銅鉱」
緑は「孔雀石」
石そのものが綺麗に発色してるのね。
美しい。
「藍銅鉱」は今でもとても高価なものだそう。
常設展なんだけど面白かったのが!
【展示室6】燕子花図屏風の茶会
根津さんがこの季節お友達を招いて催していた燕子花図屏風にちなんだお茶会。
その時に使った茶器や花入がズラリ。
イヤホンガイドはその時の様子も伝えてくれてて、モノの価値がわかる人達の会話ってすげーってなったナイス常設展示✨
そんなこんなで根津美術館を堪能して。
いざ、次の国宝へ!
国宝のはしごだー😆
東京国立博物館の特別展
『国宝 鳥獣戯画のすべて』
『展覧会史上初めて、甲・乙・丙・丁全4巻の全場面を、会期を通じて一挙公開します。加えて、かつて4巻から分かれた断簡、さらに原本ではすでに失われた場面を留める模本の数々も集結します。まさに<鳥獣戯画のすべて>をご堪能いただける、またとない機会です。』
史上初の一挙公開✨
まさしく 鳥獣戯画のすべて を堪能できるまたとない機会✨
まさにその言葉通り、集めに集めたり鳥獣戯画!
という充実の展覧会でした!!!
音声ガイドは
ナビゲーターが山寺宏一さん
ウサギ・子犬役が恒松あゆみさん
表情ゆたかなおふたりの声でのナビゲーションが楽しくて、結構混んでて並ぶ時間もあったんだけど、繰り返し同じ説明を再生したりして、これから見る絵巻への期待で退屈せずに並んでいられたよ。
そう、もしかしたら、並んで待つ時間を想定してたのかな。
音声ガイドはひとつひとつが比較的長めだし、展示会場も壁に各巻の絵が映し出されていたりして、列に並んでいても飽きないように工夫してるのかなーって思った。
ここから掲載する鳥獣戯画の写真は、トーハク本館で開催中の特集展示『鳥獣戯画展スピンオフ』に展示されていた 山崎董詮(明治時代)の模本です。
特別展は撮影NGだからね⚠️
自分の振り返りのために添えますので、念の為。
鳥獣戯画 模写本(住吉家旧蔵本)で概要を予習してから、いよいよ今回の企画展の目玉!!
動 く 歩 道 で見る 鳥獣戯画甲巻✨✨
これ考えた人天才!!!
動いてるけど、ゆっくりだから
思ったよりじっくり見ることが出来たー!
「ここから紙がかわりますよ」とか
「タッチがかわるからよく見てね」とか
並んでる列から見えるところに表示されてるし、音声ガイドでも言ってくれるから、
要所要所を見逃さずに鑑賞できるの。
初心者としてはとてもありがたい😆
甲巻は、鳥獣戯画と言えばコレだよね!っていう世の中にいちばん知られている巻だから、馴染み深い。
擬人化の巻で、ウサギやカエルが人間の仕草をしているのがコミカルで可愛いよね🐰🐸💕
思わず笑っちゃう。
でも、擬人化されてない動物も描かれていて、
音声ガイドではそこをクイズにしてくれてたりして、気にして見ることができたよ。
乙巻からは、動く歩道じゃない普通の展示。
乙巻は、リアルな動物の写生図と空想上の動物が並ぶ。甲巻のコミカルな感じが一転。
白描画だから、ちょっと粉本的ぽい?
丙巻は、前半が人間戯画、後半が動物の擬人化。
人間はとりあえず賭け事やゲームしてるのが多い。
動物の擬人化は、甲巻に活躍したウサギじゃなくて猿多め🐒
丁巻は、人間オンリー。
急に線が単純になってキャラっぽさが増した!
なんていうか、、、連載がしんどくなってきて急に線が少なくなる冨樫みを感じた😌
シンプルなのに伝わるし、可愛いね。
今回の特別展は、鳥獣戯画の断簡(1部を切り取って掛け軸などに仕立てたもの)や
本体には残ってない失われた部分を知ることができる模本も、ズラっと展示。
これ、本当はこの順番だったのでは?!という新解説と含めて面白かった!
まだまだ研究は進むのねー!!
で、そんな模本のなかに
「鳥獣戯画模本」(探幽縮図) 狩野探幽筆✨
たんゆーーーーー!!!!!!
探幽のは「縮図」というだけあって、こちょこちょっと小さく描いてある。
コンパクトな模本。
でも猿の毛並みとか手触りが伝わってきて さすがです✨✨
最後のブースは
『高山寺中興の祖 明恵上人の信仰と美術』
鳥獣戯画が伝わる高山寺を再興した明恵さんに纏わるアレコレの展示。
「解脱上人・明恵上人伝絵」(探幽縮図)狩野探幽筆
もあり、
明恵上人ご本人筆の「夢記」や「詠草」も。
圧巻なのは高山寺を再現したような空間に、明恵上人の坐像が。
そしてこの坐像の中には巻物が入っていることがわかったらしい!
仏像って、経文がおさめられいることって珍しくないんだねー。
平成館の1階では
鳥獣戯画の8K動画が見れたりしたよ!
そして本館では「鳥獣戯画スピンオフ」
トーハクのあちこちで鳥獣戯画が楽しめる仕様に!!!
トーハクの外、上野の街でも盛り上がってたよ!
松坂屋上野店の喫茶トリコロールでプリン食べたらもらえたウサギ戯画コースター🐰💕
嬉しいーーー!!!!!!
全部集めたくなるやつ💖
そうそう!
「VR鳥獣戯画 超入門!」も見たかったんだけど、月・火曜日は休演なのねー😭
7/11までやってるので、また見に来よう!
あ!見たかった猿が本館2階に展示中だった!!
「猿猴図」狩野山雪筆
可愛ええ💕
いつか等伯の「枯木猿猴図」を見てみたいなあ と、丸顔のお猿の絵を見る度に思うわー
それにしても、今日はいっぱい猿見たな🤣
あ、トーハクの正面の池に水が戻ってた!
涼しげな水に誘われて水鳥も来てたよ🦆
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