カーツ大佐

活字中毒の自覚はあったのですが、最近自身で書くことも好きなんだと気がつきました(今頃!…

カーツ大佐

活字中毒の自覚はあったのですが、最近自身で書くことも好きなんだと気がつきました(今頃!)。長いこと国際教育に携わっていました。村上春樹はかれこれ40年近く読んでます。アメリカ文化を調べたりするのが好きです。ワインは毎日飲んでます。海の近くに住んでいます。ヨガやってます。

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常盤新平のこと

ダ・カーポという雑誌がその昔あって、比較的熱心な読書だった。連載コラムで常盤新平が日々食べたものや行った場所をつれづれに語る日記のような雑文記があり、肩の力が抜けていて飄々とした語りが好きだった。僕も馴染みのある銀座や神保町周辺、それから町田がよく登場して知っているレストランや酒場が出てきた。都心は出版社との打合せの行き帰りで、町田はたぶん自宅が成瀬かつくし野辺りに住んでいたからなんだと思う。その雑文記をまとめたのが写真右上の「銀座旅日記」。 常盤新平はアメリカ文学の翻訳者

    • 鵠沼の日記帳<2024年8月>

      ほんとに個人的な日記です。常盤新平の『銀座旅日記』にみたいな感じで綴っていきます。 25日 日曜日 体重77.3。順調に減っていて、これなら目標の76を9月に達成できるかもしれない。10:45からA先生の新宿ヨガを受講。初めての「フラミンゴ」のポーズ。最後の方にまあまあできるようになった。ランチはBERGでビールとハムとバゲット。紀伊国屋を覗いてみたら、さすがで図書館で予約してある本が軒並み並んでいた。たまには買ってみようかな?「世界の政党」はそそられる。 帰路、丹羽宇一

      • 【読書感想文】『「ふつうの暮らし」を美学する』吉田麻未

        「美学」って分かったような、分からないような僕にとってはナゾな学問なのですが、つまりはこういうことみたいです。 美学は「感性の学」と言い換えることができます。公式がある訳でもないのに、美しいと思うものには、多くの人々の感性が同じように働きます。我々にあるこの感性の共通性の謎を明らかにしていくのが美学=感性の学です。 18世紀になって美学という学問ができたのですが、それは「芸術」という概念が登場したことに関係しています。それまで頭を使って生み出される音楽や文学は学問の仲間、

        • 【読書感想文】             『アメリカは内戦に向かうのか』                バーバラ・F・ウォルター

          民主国家で内戦が起こることはまずないし、対極にある専制国家は独裁者に楯突くことは大変なリスクなので、こちらもない。むしろ危ないのはその中間の状態で、それを「アノクラシー」と言うそうです。 今、アメリカはアノクラシーの状態に陥り、白人の地位が低下したことに異議を唱える人種差別主義者グループや民兵組織らが跋扈し、危険な状態になりつつある。 ではどうすれば良いか?筆者は内戦研究の専門家なのですが 、これまでの各国の事例を紐解き、南アフリカが理想的と紹介しています。ネルソン・マン

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        常盤新平のこと

          【読書感想文】 『静かな働き方 「ほどよい」仕事でじぶん時間を取り戻す』 シモーヌ・ストルゾフ

          ビジネス書はふだんあまり手に取らないのですが、FBで繋がっている同級生のおススメで読んでみました。 『LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略』同様、章ごとにいろいろなキャリアを歩んできた人々を紹介していく方式なので、サクッと読了できました。かれらの言葉のひとつ(言い尽くされてきたアドバイスではありますが)、「他人がどう思うかではなく、自分が本当に大切にしている価値観を大切にする」なんていうのは、ずしっときました(難しいけど...)。 他に印象に残ったのは、「仕事以外

          【読書感想文】 『静かな働き方 「ほどよい」仕事でじぶん時間を取り戻す』 シモーヌ・ストルゾフ

          豊かな人生を送るには、やっぱり本を読んだり、映画を観たりが一番いいんじゃないか説 〜國分功一郎を読んで〜

          村上春樹の『羊をめぐる冒険』の読書会があり、30数年ぶりに再読してみたらコンラッドの『闇の奥』に影響を受けていることに気がついた。その『闇の奥』は、大好きなコッポラの名作『地獄の黙示録』の下敷きになっている。そこで映画を再度観て、名解説本である立花隆の『解読「地獄の黙示録」』をもう一度読んでみた。すると、立花が映画の主人公カーツ大佐をナポレオンと対比して論じていたので、公開中のリドリー・スコット監督『ナポレオン』を観てみた。  一冊の小説をきっかけに縦横無尽に本や映画

          豊かな人生を送るには、やっぱり本を読んだり、映画を観たりが一番いいんじゃないか説 〜國分功一郎を読んで〜

          「プレーンマフィンにはプレーンマフィンの良さがある」

          「風の歌を聴け」を読んだのは、かれこれ40年前になるのかと知り愕然としている今日この頃ですが、みなさん、いかがお過ごしでしょうか?どんな書き出しなん?すみません。 さて、久しぶりの長編「壁とその不確かな壁」ですが、今回は偶然がいろいろと重なり、読書会にも参加することになり(一時間半では語り尽くせるはずもなく、第2回目も開催されました)、これまでの作品の中で最も真剣に読み込んだのでした。 僕としては、とてもナチュラルに読め、これまでのベストに入る作品かなと思ってます。さまざ

          「プレーンマフィンにはプレーンマフィンの良さがある」

          もしも、-村上春樹の短編-「蜂蜜パイ」の登場人物のうち、誰か一人と友達になるとしたら。

          通っている読書教室で、登場人物3人のうち誰だったら友達になれそうかについて書くという宿題が出ましたので、日本語・英語版それぞれこんな感じに仕上げてみました。 蜂蜜パイの登場人物3人の中から友達を選んでね、という厄介なオーダーが編集長から入り、僕は途方にくれた。まるで夏休み最後の日の晩に、ほぼ白紙の絵日記の宿題を眺めている小学生みたいに。 高槻はクラスに必ず一人はいそうな快活な男で、友達になったら楽しそうだ。新聞記者だから話題もきっと豊富だろう。でも、僕にとってはアグレッシ

          もしも、-村上春樹の短編-「蜂蜜パイ」の登場人物のうち、誰か一人と友達になるとしたら。

          What is The Stone of Murakami Haruki’s Thailand?

          Nimit does not allow Satsuki to tell what happened after his father died. I wonder why he does. It is known that suffered people are healed through telling somebody what happened in the past. How can I understand the behavior Nimit does? L

          What is The Stone of Murakami Haruki’s Thailand?

          村上春樹:タイランドの「石」について考えてみた。

          通っている読書教室で、物語のキーワードである「石」について書くという宿題が出ましたので、こんな感じに仕上げてみました。 カウンセリングのように、過去の辛い体験を誰かに語ることで、その語り手は癒やしを得ることが出来ると思うのだが、ニミットはさつきが話すことを許さない。これは一体どう理解すべきなのだろう。 僕なりに解釈してみた。「言葉は嘘になる」、そして「言葉は石になる」。つまり発した言葉は嘘、すなわち言葉通りのものではなくなり、それが石のように心の奥底に残り続けてしまう。言

          村上春樹:タイランドの「石」について考えてみた。

          理想の休暇を妄想する。

          通っている読書教室で、理想の休暇について書くという宿題が出ましたので、こんな感じに仕上げてみました。 人間は知りたいと考えたことを知ることでも賢くなるが、あらかじめ存在するとも知らず、知りたいと思わなかった知識を知ることで、さらに賢くなることができる。ー山崎正和- 連載4回目。タイに関する前回の原稿は無事書き上げ、今日の午後編集長に手渡してきた。読み終えると彼女は、「そうね、悪くないわね」と、プラダを着た悪魔がアン・ハサウエィに仕事の出来栄えを告げるときのようにクールに短

          理想の休暇を妄想する。

          My Ideal Vacation

          You can be wiser to know what you want to know. You can be much wiser to know what you even don't know whether it exists or not. Also, you can be much wiser to know what you don't want to know. -Masakazu Yamazaki- This is my 4th essay.

          My Ideal Vacation

          My Memory of Thailand: I was just supposed to change planes in Bangkok

          I write an article every two weeks in this magazine. This is my 3rd essay. Honestly, I have struggled to write sentences because my editor of the magazine gives me some kind of difficult theme every time. I try to find clues for the arti

          My Memory of Thailand: I was just supposed to change planes in Bangkok

          タイの思い出:入国する予定はなかったのに。

          通っている読書教室で、タイの思い出を書くという宿題が出ましたので書いてみました。 この連載も3回目。月に2回のペースで書いているのだけれど、編集長から発注されるテーマが毎回なかなか難解で、僕の心の抽斗を覗いて見てもヒントらしきものになかなか行き当らず、方向性を決めるだけで数日かかっている有様。それにはちゃんと理由があって、このエッセイを書くにあたって一つだけ自分に課していることがある。それは事実確認や辞書代わりに使う以外は、ネットで検索することをやめたのだ。するといかに普段

          タイの思い出:入国する予定はなかったのに。

          インターネット空間のほんとうの景色

          「What you see with your eyes is not necessarily real. (目に見えるものがほんとうのものとは限らない)」 通っている読書教室で、村上春樹の作品(かえるくん、東京を救う)中の一文を使って文章を書くという宿題が出ましたので書いてみました。(英語版"The True View in The Cyberspace"も書いてみましたので合わせてお読みいただくとうれしいです。こちらは先生に添削していただきました) インターネット空間

          インターネット空間のほんとうの景色

          The True View in The Cyberspace

          There are those people who are addicted to biased views and ideologies in the ”Echo Chamber” or the ”Filter Bubble” phenomena in the cyberspace, which make our society more unstable. The Echo Chamber is the situation in which you only hear

          The True View in The Cyberspace