【今更】閃の軌跡3初見ナイトメアを完走したオタクの感想文 ※ネタバレあり

 2017年9月28日、都合4年以上前に発売された「英雄伝説 閃の軌跡3」(以下、閃3と表記)。所持ハードの関係上、ずっとプレイしたくても出来てなかったのですが、昨年末にPS5を入手出来たのでそこから攻略開始。無事、2022年3月29日にとりあえず初週エンディングにまで到達しました。これから続編である「英雄伝説 閃の軌跡Ⅳ-THE END OF SAGA-」(以下、閃4と表記)をプレイするのですが、きっと触ってしまうと現段階で感じている諸々のことが上書きされる未来が容易に想像できるので、様々な視点から本作を備忘録的な感じで綴っていこうと思います。


ストーリーとして

 正直な話、滅茶苦茶面白かったなってのがクリアした直後にいの一番に思った感想だった。面白かったというよりも中盤から終盤にかけての追い込みが展開的に胸熱で良かったなって言う方が近しいかもしれない。……まぁ、こういう評価に落ち着いたのは偏に閃3が発売してから数年単位で間隔が空いてるからプレイ前からある程度のネタバレを踏んでいる上に閃4が発売されてるからというのもあると思います。だって、終わり方が滅茶苦茶だったもん。これ発売当時にやって辿り着いた結末がこれなら普通に台パンするし、閃3が酷評されても仕方ないと思わざるを得ないくらいには腑に落ちなかったなって。

 閃3自体が「英雄伝説 閃の軌跡」(以下、閃1と表記)のオマージュシナリオというか、変わり続ける帝国情勢に対して主人公たちⅦ組が変わらないまま在り続けるという対比になっているところをシナリオ単位で組み込みたかったのかなと思わせるくらいには閃1に似ていたのもあって、バッドエンドなのは納得出来ました。というか、閃3始める前に閃4のPVを見てしまってる手前、バッドエンドなのは知っていて、「酷評なのはバッドエンドだったからかなぁ……閃1味感じるし別に不思議じゃないしな……」って思いながらストーリーを駆け抜けてました。現にこの疑問は終章の、全ストーリーの踏破率99%くらいに至るまでずっと心の内に抱えていたんですけど、いざストーリー終了からのエンディング流れた瞬間に不評扱いを受ける全てを察した気がした。

 なんというかな……本当の最後の最後に怒涛の展開を詰め込んだ挙句に新情報を在り得ないほど一杯広げた上に何にも終わってないけれどエンディングに入って終わったのが本当に良くなかったんじゃないかって気がした。先から記している、閃3に類似している閃1のストーリーのバッドエンドは、主人公が騎神の起動者として覚醒するも相手の起動者の方が手練れで強くて、未来に繋ぐために主人公を本人の意思関係なく戦場から離脱させるとかいう、怒涛の展開でありながらもまだ分かる展開で。それに対して、閃3はもう結局何が何なのか分からないまま置いてけぼりにされて終わった感じが否めなかった。

 でも、ここまで酷い点というか酷い終わり方について述べたけど、最初に記した通り、本当に全体的には悪くないどころか胸熱で良かった。正直、蒼のジークフリードに関しては色々と思うところはあったけど、それを加味しても過去作から多数キャラの参戦、過去作から示唆されていたキャラの新登場等々はやっぱり熱いし、興奮した。特に黒キ聖杯での鋼と劫炎が立ちはだかるところとかね、絵面の暴力よあんなの。

 まぁ、でもやっぱり、終わり方だけがなぁ……って感じ。


キャラクターとして

 プレイアブル、非プレイアブル含めて膨大な数のキャラクターが存在していて、正直片っ端から語るとキリがないので新Ⅶ組ととあるキャラについてだけ。

・リィン・シュバルツァー

 本作の主人公にして、表向きには帝国内戦終結に導いたことになっている《灰色の騎士》。やはり主人公というだけあって、書きたいことは山のように存在している。
 まず、本当に成長したね……! っていう感想が凄い。閃1、2と士官学院に所属する生徒だったのに晴れて(分校とはいえ)教官になるの感無量というか、これが教えられる側から教える側になるということか……って感じた。自ら辿ってきた軌跡だからこそ、新Ⅶ組を始めとした分校生徒のこと放っておけないの滅茶苦茶共感出来たというか、自分たち旧Ⅶ組がサラ教官にかけてた負担を知って「やっぱりサラ教官には敵わないな」って思うの良すぎ〜〜〜ってなってました。
 主人公としての朴念仁っぷり、身内というか仲間への過保護具合、自分で何でも背負おうとするところとかは何も変わってなかったけれど、これも前述してる移ろい行く帝国との対比である“変わらないもの”の一部なんだろうなぁって感じた。

・ユウナ・クロフォード

 正直、プレイ前とプレイ後で評価の上がり幅がどの面に於いても著しく高かったメインキャラ。第二章のクロスベル演習、あまりにも神シナリオだったな……
 私自身、ツンデレという概念に理不尽さを覚えるタイプの人間なのであまり好きになることは無かったのだけれど、多分人生で初めてと言っていいレベルでここまで王道を貫くツンデレキャラを好きになったかもしれない。それもこれも彼女の中に存在する芯の強さが原因な気がしている。芯の強い女大好き……。
 ストーリー序盤から後半(後半だと絆イベント)でリィンにツンとした態度張ってるけど、第二章終わってからそのツンの色も変わるのめっちゃ乙女というか青春!って感じがして良い。最後の最後まで最終絆イベントをユウナにしようか迷ったレベルにまでは沼ってた。だって可愛いし(なお今作は最終絆イベントを一人に絞る必要はなかったです)。
 終盤になっていくにつれ、陰鬱になっていく展開の中、唯一と言っていいほどの空気清浄役。ちょっと馬鹿っぽいところが逆に和めて良い。

・クルト・ヴァンダール

 あれだけユウナのことをベタ褒めした手前、次にクルトを置くのが申し訳なさが凄いけれど、ぶっちゃけるとあまり印象が無いというか、クルトのことが語られたのが第一章っていう超序盤だったのがあって他のイベントでだいぶ上書きされてしまった感は否めない。良い子だとは思う、成長もしてると思う、ただユウナが強過ぎただけで。
 なんか、本当に『優等生』って感じ。それ以上でもそれ以下でもないというか、閃1、2におけるガイウスみたいな何とも言えない雰囲気が漂ってる。自身の悩みや葛藤に対する答えが「自分のヴァンダール流を見つける」で全て帰結してしまうから君は剣の道を歩んでてくれって思ふ。声が良い。

・アルティナ・オライオン

 感情。このキャラを語る上で、この二文字はあまりにも大切であり、同時に閃3を最後まで走り切った私の感情を破壊した要因の一つ。正直、閃3開始した時から今作のメインヒロインはアルティナだと思って進めてて、途中でユウナに靡いたりもしたけれど、最終結論として、やはり今作のメインヒロインはアルティナだった。そう言わざるを得なかった。
 なんか本当に最初から最後まで話題が絶えなかったキャラだったなぁと。元々、前作の閃2の敵役だったのが味方サイドでの続投で、その頃からあった“造られた存在が故の機械的な感情”。しかし、“造られた存在が故に理解出来ない人間的な感情”というアルティナの抱える二つの観点について今作はずっと通して語りかけられていたような気がする。章を重ねる毎に人間らしさを獲得していき、最終的には「私自身の意志でⅦ組にいたい」と言えるようになったのは明らかな成長で私は嬉しいよ……。リィン視点だと、分校の教官就任以前の《灰色の騎士》という虚構の英雄として祀り上げられた頃からアルティナにはバックアップされてきてる訳で、そんな子がここまで著しい成長を遂げてるのを観測してるの感動しかないでしょ……。
 特にアルティナを語る上で欠かせず、そして印象的だったのは第四章の機甲兵教練でアルティナが自我を失って暴走した際の原因を語っている時のシュミット博士の台詞。

画像1

 正直、ここに全てが詰まってると言っても過言ではないくらいに真理というか核心を突いた言葉だと思う。故に黒キ聖杯・最下層で自分の意志で立ち上がり、そして自らの役目を姉であるミリアムに奪われて嘆いていたアルティナは誰よりも人間だったと思う。

・アッシュ・カーバイド

 初見、「こういう明らかに悪そうな見た目のキャラは大体根が良い子なんだよなぁ~」って思った上に実際そうだったけど、最終盤で物凄い爆弾をぶん投げてきた張本人。素性に関してはアッシュ自身の反応や回想・兆候から何となくは想像出来ていたものの、実際明らかになると過去作やってるとかなり驚いちゃうよねって気もする。エステルとヨシュアと一緒に遊撃士になっていた世界線があったってこと……?????
 ただ、本当に新Ⅶ組の中で一番と言っていいレベルで不幸くじ引かされてる。ただただ本当に不憫。次回作では是非とも幸せになってほしい。幸せになってほしいというか、静かに暮らしてほしい。というか、また分校でタチアナと読書しててくれ頼むから。

・ミュゼ・イーグレット

 アッシュと同時期に新Ⅶ組に加入する同じ枠として、アッシュと対照的に「こういうキャラはヤバい。腹黒い。アッシュが見た目悪そうなのも相俟って、逆にこっちの方が極悪まである」みたいな印象を抱いていたら、蓋を開けたら良いキャラ……良いキャラなんだけど……バックに付いてる存在があまりにもビッグ過ぎて、一言で表すなら“化け物”。
 リィン曰く、「自らの良い様に因果が回るようになっている」みたいな評価を受けてた手前、ミュゼが頑張ったらこんな結末にならなかったのでは?みたいなことはプレイしてて幾度となく思ったりしたけど、きっとミュゼではどうにもできないくらいに相手の運命力の方が強かったことを描写したかったんだろうなって(でも最終盤の言い振り的に「こうなることを分かった上で見届けたいから手出ししないでほしい」みたいな雰囲気薫らせてたし、実際に対処する手立てはあったんじゃないの?みたいな気もする。本当に謎)。

・《蒼のジークフリード》

 全てを含んだ上で、何なんだお前は。直球にそういう感想しか出ないレベルで終始訳が分からないというか、話が進めば理解はある程度出来るけど、どう足掻いても納得できない枠の重要キャラ。
 なんというかな……この……過去作というか前作やった人間にとって、この形での登場は納得できるのか……?と聞かれたら結構怪しいな……って感じがするレベルで神妙な顔をしながら初登場シーンを見た記憶が新しい。因みに、《蒼のジークフリード》ことクロウ・アームブラストがクロウとして何らかの形で再登場するのは閃4くらいのPVから察してはいた。瓜二つの別人とかではなく、本当にクロウとして登場するの知ってても納得は……みたいな。ただ、閃3で凄いレベルで進化したグラフィックでクロウを見れるのは滅茶苦茶有難かった……。
 でも、今作単体で見たら本当に訳分かんないよ……。なんで復活したのかも分かんないし、記憶を取り戻したタイミングも分かんないし……。作中で復活手段の示唆はあったし、製作陣の意図も分からないわけでもないけど、それで補って余りあるレベルで何なんだお前は本当に……。


最後に

 ここまで書いて思ったけど、やっぱり閃3は閃3単体で評価する作品ではないなって感じました。閃1は閃2込みで見たいな感じで、閃4を完走して始めて本当に良かったと言えるかどうかみたいな気がします。さっさと閃4買ってきて走ります。ただ、どうせまた初見ナイトメアでかつ収集要素もある程度は頑張る予定だからクリアまで4か月とかかかるんかな……と今から遠い目をしています。

 あと、記す場所がなくてここに残しておくんですけど、クリアしてから改めて今作のデモムービー見るとBGM含めてヤバいでしょこれ。何この絶望感というか救いの無さというか、これが嘆きのリフレインってか。



 


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