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書きたい気持ちを刺激する本

こんばんは、水瀬綾乃です。
今日届いたばかりの田丸雅智さんの『たった40分で誰でも必ず小説が書ける超ショートショート講座』
を今まさに読んでいます

そして序盤のワークをやってみたら、無性に書きたくなって居ても立っても居られなくなり、ショートショートを書いてみました。

こうして、何かを書くなんてことは本当に久しぶりです。

私がnoteを始めた理由のひとつは何か文章を書くためでしたが、日々の生活の中のことや作ったモノたちのことを書くばかりで創作活動には程遠い毎日でした。

それがこの本を読み始めた途端に『書くこと』の楽しみを思い出した自分がいました。

それでどうせなら紙のノートに書くよりもこのnoteに記録を残していこうと思い、転記してみました。

お時間のある方、駄文ですが暇つぶしにどうぞ…。

不思議なペン

「よぉ…久しぶりだな、聡!お前から飲まないか?なんて電話もらうなんて正直驚いたよ。」
仕事帰りに行きつけの居酒屋でビールを飲んでいた俺の肩をポンと叩いて、相変わらずの人懐っこい笑顔で微笑む宏史を見たら、気持ちだけは一気に大学時代に引き戻された。
「宏史、久しぶり!急に誘ったりして悪かったな。実は、ちょっと不思議なペンを拾っちゃってさ。それで、どうしてもお前にも見せたくなって電話したんだ。お前、オカルトみたいな不思議な話が好きだったろ?」
「へぇ。それで一体どんなペンなんだよ?」
宏史が隣に座ってから互いの好みを適当に見繕ってオーダーを済ませた俺は、ポケットから1本のペンを取り出した。
「これなんだけどさ。」
それは見たところ何の変哲もない、普通のペンにしか見えなかった。
軸の色は南国の海の色を連想させる鮮やかなコバルトブルーだ。
「実はこれ、『海のペン』なんだ。」
「は?海のペンだって?」
俺の言葉に、宏史は間の抜けた顔で鸚鵡返しにそう言った。それって軸の色から連想したまんまじゃないかよ?
「お前がそう思うのも無理ないよ。俺だって実際に使ってみるまでは信じられなかったさ。」
いや、何を信じろというのか?聡は仕事が立て込んでて疲れが溜まってるんじゃ?

頭の中でアレコレ思いを巡らせている宏史の耳元に俺は『海のペン』を、そっと当ててみた。

突然、ザブーン…!という音がしたかと思うと宏史の目の前には広大な海が広がっている。

「何だよ、これ!」

ついさっきまで確かに居酒屋にいたはずなのに、ここはもうどこを見渡しても海だ…。
どこまでも青い海と白い砂浜が続いている。

「ほらね?間違いなく、これ海のペンだろ?」
聡の声に宏史が我に帰ると、そこは元の居酒屋だ。

「何なんだ?今のは…。俺が見たのは幻なのか?」

「どうだった?このペンを耳に当てると波の音が聞こえて海が見えただろ?な?すごいだろ!」

百聞は一見にしかず…だ。
本当に『海のペン』なのかもしれない。

実際に体験した宏史は、今起きたことをもう信じるしかなかった。

俺は、そんな宏史を見て満足そうに、にっこり笑ってこう言った。

「実はさ…。このペンと対で、もう1本ペンを拾ったんだけどさ。」

俺の掌には、軸色が水色と白のツートンカラーのペンがある。

「これはきっと、『空のペン』なんじゃないかなって思うんだよね〜。」

『海のペン』と『空のペン』。
確かに対になっているのかもしれない。
でも、『空のペン』って、一体何ができるというのだろうか?

「で…?そのペンも試してみたのかよ?」

そう言いながら食い入るように俺を見ている宏史に俺は小声で言った。
「実はさ…。」            (完)

ここまで読んで下さってありがとうございました。
オチもないのですが、とりあえず着地させてみました。(汗)

本を読み終わる頃には少しはショートショートらしいモノが書けるでしょうか?





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