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映画「PLAN75」を観て #9


映画「PLAN75」(2022年6月17日公開)を先日観てきた。自分なりのレビューをここに記したいと思う。

PLAN75とは、75歳以上の高齢者が自分の生死を選択できる権利・制度のことをいう。言い換えれば自分の意思で安楽死を選べるということだ。この映画はこの制度が国会で可決された近未来の日本を描いている。

主人公の角谷ミチ(倍賞千恵子)は高齢を理由にホテルの客室清掃員を解雇され、同時に住んでいる団地の立ち退きにあう。職も見つからないうえ、生活保護を申請するも却下。追い詰められたミチはPLAN75を窓口である市役所に申請する。

その後、ミチは安楽死の施設において、隣の申請者の死を確認した時点で、自分の酸素マスクをはずし、施設を脱走する。夕日のもとで、明日の再会を約束する歌「りんごの木の下で」を歌うのがラストシーンだ。

現在の日本では、高齢者が社会保障を圧迫し、若い世代の足かせになっているかもしれない。この映画では、その高齢者を安楽死させることで、超高齢化社会を解決しようとしているようにも見える。しかし、この映画で訴えたいのは、現代社会の弱者に対する不寛容さ、そのことに対する今の世の中への危機感と、命の尊さである。

最後に、主演の倍賞千恵子さんを始めとする俳優陣の熱のこもった演技、この映画独特の描写の繊細さなどはスクリーンでしか味わえないため、実際に映画館に行って見てほしいと思う。

最後まで読んでいただきどうもありがとうございました。



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