見出し画像

『18歳からの格差論』/ 2.自己責任の罠とは

2.自己責任の罠

多くの先進国では、税金をガッポリ取られる代わりに、教育・子育て・老後etcの各種サービスを国に提供してもらえる。日本はその逆で、税金が安い代わりに、そこらへんが自己責任。足りないぶんは自力で買い入れねばならない。
日本のような「自己責任社会」において怖いのは成長の行きづまりだと井手先生はおっしゃる。成長の行きづまりは生活の行きづまりに直結するからだ。

グローバル化、IT化の波が押し寄せてくると、労働者のいろんなモノーーー雇用の機会や賃金が切り捨てられるようになった。
(そういえば就職氷河期ってあったな。あれってこの頃??)

労働者はいろんなことを我慢して頑張った。
ココを乗り越えられればいつかまた景気はよくなる、日本は再浮上するって信じたからだ。
が、しかし。

実際には、企業はもうかっても、投資のために手元に資金をためこみ、給料は下がり続け(た)

グローバル化の波に飲み込まれ、所得の減少を止められなかった日本では、政府の借金だけが残ってしまったのだそう。んで、慌てた政府は社会保障の抑制、公共事業の削減をはじめた・・・・と。

僕は、成長できなくなるなかで成長が求められる矛盾、自分たちで生活を維持できなくなって、政府への怒りがわきあがる不幸の連鎖を「自己責任の罠」と呼んでいます。

これはたぶん・・・・
就職できないのも、安月給なのも、貧乏してて苦しいのも、ぜんぶぜーんぶオマエの自己責任だろ!と切り捨てられる理不尽(と、その裏返しの怒り)、みたいな意味かなって。

現状苦しい原因は何かと考えた時、

原因=自己責任✕%+社会情勢✕%+その他理由A✕%+理由B✕%・・・・・

と、諸々考えられる中の、自分にとって都合がいい部分だけをピックアップして不満を叫ぶってのは前回の「再分配の罠」でも一緒だった。
ちなみに次の「必要ギャップの罠」からも同じニオイを感じる。


こうやって書いてると、人間の素敵さみたいなモノがちっともクローズアップされてこないという寂しさがあるけれど、もちろんこれが人間の全てじゃない。いいところも悪いところもある中の、悪いところ3つがたまたま取り上げられているだけ。

しかしーーー

どうしたって清濁併せ持っちゃうのが人間なんだな~~と改めて思う。


7/200 2024.1.10.

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?