日本囲碁規約解説講座!日本囲碁規約をつかうには

日本ルールについて

日本囲碁規約はそもそも日本ルールの中の一つのルールである。
よって、まずは日本ルールの特徴を見ていこう。

  1. 地を争う

  2. 実践解決では誰かが損をすることがある。

  3. 対局者の良識と相互信頼の精神に大きく依存する。

この三点だ。

特にアマチュア向けのイベントの想定の場合職業棋士たちと比べより"対局者の良識と相互信頼の精神"が揺らぎやすいと考えられる。

日本囲碁規約について

日本囲碁規約の序/前文や冒頭には旧日本囲碁規約から今の規約に改定する際の当時の様子や意図、運用するうえで求めることなどが書かれている。
そこで運用に大きくかかわる部分を要約した。

  1. 日本ルールを合理性を確立、明確化したルールである。

  2. 対局者の良識と相互信頼の精神に基づいて運用されなければならない。

  3. マナー規定、用具、手合割(含む込碁)、競技実行方法(含む競技時間)等は他の規定などで定める。

この中で最も重要なのは「3.マナー規定、用具、手合割(含む込碁)、競技実行方法(含む競技時間)等は他の規定などで定める。」だ。
これは規約を運用するうえで何を他の規定などで定めるかを明確にしている要請であるからだ。

他の規定について

「マナー規定、用具、手合割(含む込碁)、競技実行方法(含む競技時間)等は他の規定などで定める。」とあるので与えられた課題を一つずつを見ていこう。
また、マナー規定は別で大きなテーマとして扱う。

用具

碁盤、碁石などがこれにあたりる。
また、大会のルールによってはこれに対局時計が加わったりすることもある。大会の会場や机も広い意味ではこれにあたることもある。いずれにしても用具に関して事前に告知できるならするに越したことはない。

手合い割

コミなどがこれにあたる。日本囲碁規約ではコミが6目半という記述がないため大会側でコミを逐次定める必要がある。
また、段級の差を考慮する置き碁の大会ではもちろん置石の規定を定める必要がある。

競技実行方法

競技時間をはじめ競技中の電子機器の使用禁止や助言の禁止などがこれにあたる。

その他

大会の方式(シングルエリミネーション、スイス、リーグなど)なども他の規定で定めるべきである。
ここで注意するべき点がある。日本囲碁規約は必ずしも勝敗がつくルールではない。両負けと無勝負なる対局結果の場合がある。これらが発生した場合の対応も考える必要がある。

マナー規定

これはどのようなマナーを守るべきか、どのようなマナーを犯すと罰則が与えられるかを示すものだ。
対局への介入や罰則が与えられるマナー違反は

  • 非紳士的行為(暴言、暴力)

  • 対局を破綻させる行為(無為に相手の地に石を入れ続ける等)

  • 会場や地域のルールや法令を破る行為

のようなものが考えられる。
特に上二つは日本囲碁規約の"対局者の良識と相互信頼の精神"を犯している内容だ。
ただし"対局者の良識と相互信頼の精神"というファジーな文章を根拠に日本囲碁規約十四条による反則負けを与えるのはいささか乱暴と言わざるをえない。
そこで日本囲碁規約とは別にマナー規定を設け"対局者の良識と相互信頼の精神"をサポートするのがよいと考えられる。
内容の重大さにより段階を踏んで警告などをしていくのがよいと考える。

具体例

龍の住処が採用しているアマチュア向けの大会の大会ルールが参考になると思われるので興味があれば参考にするとよい。
囲碁フロアルール ver1.0

他の規定と日本囲碁規約の関係

他の規定と日本囲碁規約の関係を図にした

他の規定は日本囲碁規約で定められてない全てを定義するので他の規定のほうが強い力を持つ。矛盾したら他の規定が勝つ。


まとめ

規約で決まってないことは自分で決めよう!
コミは日本囲碁規約で決まってないから自分で決めよう!

次回第二回「対局の進行」絶対に見てくれよな!


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