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お金使い方リテラシー

ものの本には「消費財を購入するより、経験にお金を使え」とよく書いてある。
もちろんそうだなぁと、認識しているものの、明確に理由を考えたことがなかった。買い物をする時のワクワク感や、お気に入りのものを所有することによる所有欲求の充足等、消費財を購入することにもメリットはある。

経験にお金を使う理由について、自分なりに導き出した結論は2つ

①経験=思い出は減価償却されないということ
②経験=思い出は人間の忘却機能により、思い出の元本が回復していくこと

①について
どんなに高級なものだとしても、買ったその日から減価償却が始まる。経年劣化による価値の低下は、会計上も明確に規定されている。もちろん「ヴィンテージ」という概念から古くても価値があるものがあるが、それは物自体の価値というよりも、やはり思い出込みの価値なのではないか。

②について
思い出を分解してみると、
《良い思い出12》-《悪い思い出2》とすれば《トータルの思い出10》となる。
例えばの旅行の経験にしても「忘れ物をした」「トイレが汚かった」「どこかに足をぶつけて血が出た」などがあればマイナスの思い出となり、プラスの思い出の元本を毀損させるだろう。

しかし、人間の忘却機能は便利なもので
、プラスの思い出は忘れないが、マイナスの思い出はどんどん忘れていく。
つまり、《12-2=10》だった思い出が、マイナス2を忘却してしまうことにより数年後は《12》の元本純増の思い出として脳裏に残る。「思い出は美化される」同義かもしれない。

減価償却されない上に、人間の忘却機能により、元本が回復していく。そんな思い出作り=経験にお金を使わない理由はない。

銀行員を長く務めていると、お金の増やし方については、たくさんの事例や手法を学ぶが、最も大切なのはお金の使い方
。「お金の使い方リテラシー」高めることによって、幸せの度合いも増していくのではないか。

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