パピヨンの話
フランス語の「Papillon(パピヨン)」
フランス人は、蛾も蝶も区別せずに表現するという話題を、高校時代の友人と飲みの席で話したことがある。
自分としてはちょっと小洒落たネタで、会話を温めようぐらいにしか考えておらず、どちらかというと「こんなことも知っているんだよ」という顔で話をしていたはず。
一方、友人は九州の国立大の教授。専門は生物(植物)。ポスドク時代オランダに3年留学している。当時は英語が主だったらしいが、もちろんその他の言語も耳にしたことがあるだろう。
彼は静かにこう言った。
「フランス人は10歳の子供でも蛾と蝶を区別するよ」
「生物の分類的に言っても、蛾も蝶も【チョウ目】に入っていて、厳密な区別はないんだ」
「逆に、日本語にPapillonに該当する単語がないんだよ」
「そういう意味では、フランス語の概念の方がより生物分類的に素直なのかもしれないね」
「へーそうなんだね、国が違えば捉え方も違うんだね」位のリアクションを想定していたが、がっつり私の知識は修正され、正しい知識を丁寧に教えてくれた。
しまった、かっこつけた小ネタを振る相手を間違えた。
因みに、フランス語であえて蝶と蛾を区別して表現すると
蝶:papillon de jour(昼の蝶)
蛾:papillon de nuit(夜の蝶)
と言うらしい。なんとなくお洒落。
忘年会の小ネタに使えるかしら……。
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