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スギとヒノキの違いについて

 ひのき、生でも燃える木だけあり、丸太を割れば、それだけで軽く、扱いやすく、白い繊維は油のためか、絹のように柔らかく光る。

 翻って、杉というものは、これが冬に切っても水が多く、樹心が凍ったものを見る、水があれば重く、燃えず、薪を積むにも一苦労、棘のような葉が付けば、それも痛く扱いにくい。

 知らぬ人には同じような木なれど、この二つはまるで違う、樹皮の様子、枝の様子、割ったときの中の様子、葉は見るからに違いがあり、これが山にも影響を及ぼす、檜の平らで網のような葉は、雨をぽたりぽたりと地面へ落とす、しかし杉の直線的で鋭いものは、加速度を付けて雨粒を落とす、その勢いに地面は弾かれて、表土は傷み、流れてしまう、杉植林の山が崩れやすいのは、そんなわけもあるのだった。

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