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三つの”阿恵”磐井とは!

「女王卑弥呼の本家と分家」で、阿部磐井について書いた。実は続編があり結構広がってしまった。「あえ=あへ」とする地名が少なくとも3カ所あり
やはり「磐井」関係するのである。一つは相島(阿閉島)二つ目は、箱崎宮東の糟屋阿恵、三つ目は穂波阿恵である。

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 一つ目の阿閉島は、既出なのだが、二つ目は、阿恵日守八幡神社があり神功が籠で通過したという伝承がある。おそらく港があったと思われ磐井の港かもしれない。箱崎宮の鐘を鋳造するとき銅鏡が一万枚も付近から集められたというので相当な拠点があったと思われる。
 三つめの穂波阿恵も、神功と関係がある。冷水峠を西から抜けると山家・内野がある。ここに内野老松神社がある。隣に大根地神社社務所があり南にある大根地神社の宮司さんが居られる。聞けば朝は山の方にお勤めに行かれるそうだ。そして内野老松神社を兼務されている。大根地神社といえば秋月の羽白征伐の後、開化・神功が祀られていると言う。

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 内野老松神社

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社殿内部

左の旗には三階松であり旗の縁には「門光紋」、そして大根地を考慮すると、明らかに開化天皇を祀るとして良いでしょう。

 更に、飯塚方面に向かうと穂波にお目当ての阿恵老松神社がある。
論文を書いた後だったので、阿恵を見たとき直感が働いて調べ始めるとまさにそのとおりであった。(※旧上穂波村、筑穂から飯塚市になっている。)

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阿恵老松神社(飯塚市阿恵)

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本殿

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神紋が珍しい

 問題はこの珍しい神紋、阿恵と内野老松神社から予想がつくので、高良山の神紋を参照すると、菱形の中の木瓜を省略したものになっている。やはり開化としていいと思われる。

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       高良山の開化紋

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木祖宮

 ところでこの木祖宮であるが、神社誌によると、木祖句々迺智神、菅原神 【境内神社】 須佐神社(素盞嗚命)とある。
 兵庫県西宮市に公智神社(くち)という神社があり、祭神は 健速須佐之男命、久久能智神、奇稲田姫命 とある。

由緒に「孝元天皇の皇子大彦命の後裔久々智民族が山口荘内の最も適当な丘を選び氏神として木の祖神である久久能智神を奉祀したのが始まりです」とする。

 下図の木札は、大刀洗・原田八幡の物であるが、これと同じ木札を神崎の櫛田でも見たことがある。つまり木祖句々迺智神は、金山彦であろう。奇稲田姫命は娘であり、豊受姫は孫である。手置帆員命は素戔嗚と言われ彦狭知命(天御鳥命、紀伊忌部の祖)は、手置帆員命の子である。(諸系譜)
 大彦命は山下影姫の子で影姫は、素戔嗚の末裔である事からすれば金山の血筋でもある。屋船神を祀ってもおかしくは無い。そうすると阿恵老松神社は、開化の兄、磐井直系の大彦命を祀っているのかも知れない。
 

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 原田八幡宮(大刀洗)の屋船神

 元々は、阿部磐井から出発したのだが、宗像-糟屋-上穂波と続いて、実は日田-玖珠に行くことになる。阿閉君は意外と広範囲を拠点としていると痛感するところである。

※参考神社
屋船神社 (八王子市)に、祭神と解説がある。祭神は木霊・屋船久久遅命と稲霊・屋船豊宇気姫命であり「草野姫(金山彦妃)と、延喜式祝詞に記載される  屋船豊宇気姫命は、同一神(神道大辞典より抜粋)」と説明がある。「草野姫と、延喜式祝詞に記載される  屋船豊宇姫命は、同一神(神道大辞典より抜粋)」と説明がある。



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