詩「諸手を挙げて」

「参った」
俺は大袈裟なくらい首を横に振り、諸手を挙げて降参する
君の大きな瞳は無垢に俺を見上げる
「降参だ」
またしても声に出る情けない俺
君の口元は今にも勝利ににやりとしそうだ
両手を挙げたまま俺は蟹のように移動する
その間も君の視線が痛い
君は尻尾を一振り
ニャー

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