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一四零の庭苑 2巻 連載中

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X(旧Twitter)で毎日書いている140文字以内の短い詩たちです。二巻目となります。一巻も別マガジンで全1000話で公開中。 更新は、X(旧Twitter)にポスト後、こちら…
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2024年6月の記事一覧

詩「パズル」

僕たちはいつもパズルをしている 生きることがパズルで 日々を送ることは積み重ね 日が一つひとつパズルになる ピースかもしれない 後々にそのピースが何か分かり 完成する人生   時間もパズルで 僕自身も全てパズルだ 積み重なる 出来上がる 突然、思わぬピースが誕生する 面白い   パズル

詩「不運の連鎖」

『魔が差した』この言葉が適切だと思わないが 魔に憑かれたように連続する   選択 何気ない 気分で 適当 選んだつもり 考えたはず   いつからだ 恐々と過去を振り返る 立ち止まったつもりが動けない   気配 空気 言葉   『ああ』と声が漏れる頃 引っ掛かる 歪み 温度 匂い 黒   不運の連鎖

詩「眠気」

頭の中は空白で ただぼんやりとして うとうとと来る そんな眠気は最高で   眠りたい眠れない 時間が足りない忙しい そんな時の眠気は厄介者で   焦る気持ちと合わさって眠れない 眠気があるから布団に入ると目が冴える 思わせ振りで偽りの眠気 体と頭がちぐはぐな眠気 そんな眠気は罪だ   眠気

詩「ペン一本」

ペンを手に持ち構える まだ紙の上には乗らない 気持ちが乗らない 気配が来ない   トントントン   指で机を軽く叩く 時計が気になる   まだだ…   音が聞こえる 空気が触る   予兆   時が緩やかになった 時が止まる 静寂 視界が冴える 何も聞こえない   紙の音 ペンの音 世界を書く   ペン一本

詩「人間の仕事」

人間は笑う 人間は泣く それが仕事   嬉しくて 楽しくて 笑う   耐え忍んで苦笑い 苦し紛れに笑う 辛さを悟られないよう笑う 人間は笑う   悲しくて 辛くて 泣く   自分の道の先に涙があった 経験の先に涙があった 別れに涙 そして喜びにも泣く 人間は泣く   笑ったり泣いたり 人間の仕事

詩「形になる」

夢を見る 形になる夢を見る   悩む 苦しむ 形を知る   戸惑う 考える 形を見る   楽しく 歓喜 形を育む   夢中 時間 形を成す   短い時間 長い時間   息を吐いた 目を瞑る 力を抜いた   「出来た」 漏れ出た声   日を置く 心を切り離す   まだ まだだ…   「やあ」 君を見た 僕の創造   形になる

詩「濁り水」

嗚呼、まただ 濁り 僕の中の濁り 濁るから僕は動けない 僕の全てが重い   ふらりふらり 僕は濁った僕のまま 徘徊する 頭、心、体 この世で僕を構成する全てが彷徨う   重いから立ち止まる   「音?」   僕の体が一番に反応した 濁りに波紋 何かが始まる僕の中 僕には次の行動が必要だ   濁り水

詩「僕の番」

進んでも進んでも 頑張っても やり遂げても 歓喜して 泣いて… それでもこれはひとり遊び 苦しくて 悔しくて 捨ててしまおうかと自棄になる これはひとりで背負う   「創作て何だろう」 「もう分からないよ」   君の反応 あれ、これは、初めてだ なんだか、嬉しい きっと、そう…   僕の番

詩「苦の時間」

暗い 自然に落ちた   落ち込んだ時 考えなくていいこと 引き寄せられるように 落ちて行く気分   ゆらりゆらり 揺れたら ふらりふらり 行き着く   私が苦しんだ時間 私が苦しめられた時間 思い出す 振り返るじゃなく思い出す 意味のない周回 そして苦しむ 意味はない 何もないはず   苦の時間

詩「一本道」

進む 僕は行く ここは一本道だから 僕が望む一本道だから   進む この道を行けばいい この道を行けば手に入る 叶う 僕は行く   進むこの道は一本道 先が見えているはずなのに 霞む 霞む一本道 怒り 苦悩 涙 僕の行く道   進むよ一本道 僕が納得行くまで 僕が折れて立てなくなるまで   一本道

詩「内なる音」

『死にたい』   死にたい気持ちがある いつの頃から持っていた気持ちかは分からない でも僕の胸の中にある 胸に手を当てると、トクンと鼓動が打つ この音は何処から 心臓の音 僕の心の音 迷い   僕の中に死にたい気持ちがある けれどもそれが抜ける時があるんだ きっと…… この音   トクン

詩「一編の詩」

出合った 込み上げる思い 一編の詩   乾いた心、内の僕の足下は泥の様で 頭の中の空白な部分 体が知っていたような感覚 一編の詩   今がその時か 縁の紡ぎか 一編の詩   目頭が熱く 口元をきつく閉じ けれども言葉が漏れて 「ありがとう」と言う 一編の詩   何度も読む 繰り返し 一編の詩

詩「意味がない」

意味がない 叫ぶ   生きる意味がない 死ぬ意味がない   意味がない   意味てなんだ 考えろ 考えろ   何かを成し遂げる意味 ない ない   心を動かす意味 無 無   意味がない   『馬鹿か、お前!』 脳内を痺れるように走る声   「僕は馬鹿なのか」 「ああ、今」   これぞ、意味がないことの意味だ

詩「奴が来る」

『明日に向かえ』 ふと頭に言葉が浮かぶ 『明日に立ち向かえ』 どういうことだ 焦点を当てる 明日は勝手に来るじゃないか 斜に構える 疑問 逃げる その他 「全て僕の本心だ」 やるべきことへの覚悟 その時が来ることの不安 どちらも持っているから   まずは珈琲を一杯   奴は…… 月曜日だ