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辛いお別れ

学部を卒業してからもう20年以上が経過した。

今から約2年前には卒業後20年のイベントを大学側が開催してくれて、久々に懐かしい同期と多く会うことが出来た。

それから2年が経ち、先週同期の女の子が癌で亡くなった。

彼女が罹患していたのは知っていて、色々な情報を伝えたり、それこそ研究室の後輩が責任者を務めているがん情報サイト「オンコロ」を紹介して、最新の治験への参加の可能性を探って貰ったり、自分として出来ることはしてはいたものの、彼女が無くなったとの旦那さんからの報せに月曜日の朝から愕然とした。。。

学部生の頃は、私は横須賀線を利用していて、彼女も同じ路線だった。
だから、よく一緒に帰った記憶がある。

彼女は学部で卒業して就職、私は大学院に進学という道に進んだ。

それから十何年も経ってから、偶然にSNSで再びつながることになり、年賀状の交換をするようになった。その頃にはもうお互い親となっていた。

大学時代の同期の良いところは、仕事関係のしがらみが全くないことで、何を話して安心できる利害関係がないところだと思っている。

2年前の大学主催の同窓会で、20年ぶりに会っても普通に話が出来るという不思議さ。それも何でも話せる感じ。(元カレ元カノ的な人たちでさえ、懐かしいね~って感じなのが面白かった)

それから半年が経ったころに、突然彼女からLINEが来て、彼女が罹患したこと、彼女が罹患したがん種における治療法について調べていること、そして治療に使われる医薬品(抗体も低分子も)の作用機序をしりたいという内容だった。

私は知っている限りのこと、そして調べられる限りのことを彼女にお伝えし、先ほども書いたが「オンコロ」をやっている後輩を紹介して、今日本で受けられる治験を紹介して貰ったり、私として出来ることを全てさせて貰った。あとは、時々「調子はどうだい?」というLINEくらい。。。

彼女は亡くなってしまった。

お別れ会に参加しに行き、お顔を見たが、本当に頑張った顔だった。
少なくとも私にはそう思えた。

旦那さん、お子さん3人を見るのはやはり心が締め付けられ、ご家族の前に行くと、気の利いた言葉なんて掛けることもできず、旦那さんにはお悔やみ、お子さんにはお母さんは大学のときも明るく聡明で前向きな人だったよ、下を向かないでお母さんみたいに前を向いて進んで欲しいと伝えた。


彼女の旦那さんから月曜日の朝に連絡があったのは、彼女はもしもの時には連絡を取る人リストを作っていたらしく、私の名前が書かれていたとのこと。。。私はなんもできなかったのに、、、

でも一つだけ、救われるというか心に残る言葉を旦那さんから頂いていて、生前に私が提供した正しい情報や最新の情報というのが治療を受ける上でとても参考になったし、拠り所になり色々な情報がある中で惑わされずに治療に向き合うことができたという言葉だ。

私は製薬企業に情報を提供する仕事をしている身としては、可能な限り正しい情報を提供するということをやって来てよかったと思った。

彼女のご冥福を祈らずにはいられないし、ご家族はこれから大変だと思うけれど、いつか笑顔が戻ってくると私は信じています。


#がん #情報提供の大切さ

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