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大ボスが亡くなりました

私が研究留学していたNCI-FrederickのLabolatory or Molecular Immunolgy(通称LMI)の大ボス、Joost J. Oppenheimが2022年5月14日、87歳でその生涯を終えました。

Joost J. Oppenheim, M.D.

先週から容態が悪いと聞いていたので、心配していたのですが、本当に残念でなりません。
彼のご冥福をお祈りします。

私がアメリカに研究留学をしていたのは、2004年4月から2026年3月の2年間で、もう18年も前のことになります。彼は、皆からJoe(ジョ―)と呼ばれていて、サイエンスの話をした記憶がちょこっとだけ残っています。なにせ、18年も前の話なので。。。

NCI(米国国立がん研究所)のCenter for Cancer Researchのサイトに彼を偲んだ以下のページが出来ています。

https://ccr.cancer.gov/news/article/in-memoriam-joost-j-oppenheim-md-1934-2022

Joeのラボでは、IL-1、IL-8、MCP-1などを見付けたこともあり、以下のようにFather of Cytokinesなんてニックネームがある方でした。今年に入ってAAIからも栄誉を受けています。

The lab’s numerous discoveries prompted some to nickname him the “Father of Cytokines,”

Most recently, in 2022, he was elected as a distinguished fellow of the American Association of Immunologists.

彼の業績も凄いのですが、それより彼は現役というか、まだリタイアしていなかったんですよ、87歳でも。それがJoeらしいところ。

私のJoeとの思い出はというと、Keystone Symposiaに参加した時の話で、Snow Birdというユタ州にあるスキーリゾートでの一幕です。私の直属のボス(MCP-1を発見した吉村先生)とスキーをしていて、ゲレンデの途中でJoeと偶然出会ったときのことでした。
その当時でも既に70歳超えてたんで、ゲレンデの途中で佇むJoeが心配過ぎて彼に近寄ったんです…
そしたら、、、
「宗久、お前は昼飯で何を食べる予定だ?」
「本当はカツカレーが食べたいんだけど、ないでしょ?」
「それなら、ルーベンを喰え!貞造(吉村先生のこと)が何と言おう言おうとも、ルーベンだぞ!約束だぞ!」
と意味不明の昼飯ゴリ押しをして、ゆっくりと滑っていきました。

素直な私は、一応食べたんですルーベン(サンドイッチみたいなやつ)を。
まあ、結構美味しかったので、夜にJoeに会った時にルーベン美味しかったよと伝えたら、
「だろ、ルーベンは最高だろ!」と満面の笑みのJoe笑

なんか、親孝行した気分になったんですよね。
実は、面白い話がもう一つこの学会であるんですが、とある先生の許諾が必要かもしれないので、それはいつの日か。

結局、サイエンスの話が出てこない私。。。
変なことばかり覚えてるんですよ。
ラボミーティング時のお菓子の好き嫌いとか、いたずらするおちゃめな一面とか、サイエンスの思い出をほとんど覚えていない私。。。
あっ、ポスドクの面接に1週間だけ渡米したときに、博士課程の仕事の話を聞かせろ言われ、一生懸命英語で伝えたのは覚えています。必死過ぎて、これまた覚えてないんですけどね。。。

あっちでも、思いっきりサイエンスして下さいね、Joe

#Memoriam #Joe #Joost_J_Oppenheim #NCI -Frederick #87


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