年イチ探偵

黒田です。

ここ数か月、私の頭の中を常に占めていたものがやっと終わりを迎えました。
とある法人の決算作業です。

担当する法人は変化しているものの、いわゆる決算というものに関わらせてもらって10年以上になるでしょうか。
最初は法人の年間報告を数字でするもの、くらいの感覚でしたが時間を重ねるごとに、私の作成した財務諸表がその法人の看板にもなるし、誰かが目にする重要な第一印象になりかねないと思うようになりました。

極端にいうと、その法人の未来を私が握っている、みたいな。

それに気づいてしまってからは、この楽天家の私が結構胃が痛くなるような思いも抱えるようになったのです。
(もちろん最終確認は税理士の方にしていただくので、すべて私の責任ということではありません)

最終確定の数日前からは私の中の探偵キャラが大活躍でした。
「え、ここの数字が合わない・・・」
「こことここの数字を足したらこれになるはずだから・・・ん??」
「なぜ急にここがマイナスになるの」
ひとつの謎がさらにもうひとつの謎を呼び、これは完全に迷宮入りするのではと思うこともしばしば。
正直何度も投げだしたくなりました。

でも数字ってかならず意味があるものなんです。
なんの裏付けもなくランダムにその数字が並ぶことはまずありえない。
その数字が出てくるまでのストーリーをさかのぼり、いろんな角度から光をあてて計算し直してみる。
すると本来あるべき数字といまそこにある数字のズレが、どこからやってきたのかを突き止めることができる。

そのミステリーを解き明かした瞬間が本当に気持ちよくて!!

本来ミステリーは発生しないのがいちばん良いんですよ(笑)。
しかし日々人間が行う作業の積み重ねなのでかならずミスや不注意は発生する。
発生時はちょっとしたズレでも年間でみると結構な差異になることも多いんです。

でも最後まであきらめずに調査していくと必ずその原因を見つけらます。
突き止めた瞬間の達成感は私にしか分からない。
その気持ちよさが忘れられずこの仕事をやめられないのかもしれません。

やっと探偵としての勘を取り戻したころ、すべてのミステリーが完結します。
おおわれていた重圧から解放されてホッとする反面、すこし残念な気も。
あんなに早く終わってほしいと思ってたのに、ですよ。

いちばんのミステリーは自分かもしれませんねぇ。
一生解ける気がしません。

健やかで素敵な一週間になりますように。