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変化すること、しないこと

胡桃がきて3年という時間が流れました。
2021年、8月21日の早朝に、タイムズスクエアの裏で、レスキュー団体から胡桃をピックアップし、3日後、相方と相談して、アダプトを決めました。

3ポンド(=1.4kg)だった胡桃は、今では、7倍強の22ポンド(10kg)。
誰にでも、「遊んでー!遊んでー!」と怖いもの知らずの超お転婆娘が、今では、軽く犬見知りをするタイプになり、近所の酒屋の入り口付近にある空気人形に戦慄して、逃げ出す臆病者に変化した。
甘噛みモンスターに悩まされた時間は3ヶ月弱。永久歯に生え変わってからは、一切、噛むなんてことは無くなった。

「このパークに胡桃と来る様になって、ほぼ3年なんだけど、顔ぶれが結構変わるものだね。最初の頃に毎朝会っていた犬たちの多くが引っ越したのか会わなくなって久しいな。」

今でも毎朝パークで会うエドおじさんに言った。エドおじさんは、アリスという胡桃より1歳年上で一回り大きなアダプトした犬を飼っている。エドおじさんは、ローカル新聞というあだ名を持つぐらい噂話やらなんやら知っている犬の飼い主コミニティの有名人だ。

「3年は、出会って、別れるのには十分過ぎる時間だからな。子供の成長、職場の変化、色んな物事は3年で結構変わるものだ。」

今年80歳になるエドおじさんは、何年もその変化を見てきているのだろう。そういえば、お互い大型犬を飼っているメリッサとピーターも、この3年で、パークで出会い、恋に落ち、カップルになったんだよな。
単独で犬を散歩していた二人が、いつしか、いつも一緒に散歩する様になっていて、相方が、「あの二人は怪しい。絶対、付き合っている。」と言い出したのは2年前の夏だっただろうか。
その二人が、先日、険しい表情でベンチに座り、深刻そうな話をしているのを見かけたのを思い出した。側で、犬同士も何故か神妙な顔つきをしていた。

3年という時間は、ある程度大人になってしまうと、それほど変化を感じない。”ついこの間”ぐらいの感覚だ。

「2019年の同じレースでは、マイル6分45秒で走っていたんですよ。それが、今回、マイル6分55秒で。。。」で何て嘆くラン友は40代前半。
3年という時間どころか、5年という時間すら、”ちょっと前”ぐらいの感覚になっている。実際には、30代から40代になり、肉体は確実に5年分老化しているというのに。

姪っ子の変化を見れば一目瞭然。中学生が高校生になり、そして、大学生になる時間が3年刻み。子供からティーンになり、そして、大人へと変化していくのがはっきりと分かる。
それと同じ時間が自分の肉体にも、胡桃の肉体にも流れているのだ。

いや、胡桃の時間は、ドッグイヤーだから、5−7倍速か。

そう思うと、心臓がキュッと縮む気がする。
成長は嬉しい。でも、ちょっと切ない。

3年という時間を過ごし、7倍重くなった胡桃への愛情は、1000倍以上どころじゃなく日々増し増しだ。

だけど、変わらないものもある。
ドテッと横向きに手足を伸ばして寝る姿。前足を畳んで、丸くなって寝る姿。大きさが変わっても同じ仕草がたくさんある。

7倍の重さになった現在の胡桃。何故かおしっこシーツを毛布にして寝ている。。

変化する事もあれば、変化しないこともある。

どっちがいいとも、悪いともなく、ただ、それは一緒に生きているから知れることなのだ。





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