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理想の旅、現実の旅

家族旅行に行った。

「キャラバン、キャラバン、目指すはコロラドだ。」

と、大はしゃぎの相方。そう、相方はNYCからコロラドまで1800マイル(=
2880キロ)を、車酔いをする愛犬くるみも連れて、レンタカーで往復の旅をするつもりなのである。Googleマップでは、ノンストップで片道26時間予想である。ちなみに、休暇は6日間。片道2日掛けても、コロラドに1泊出来るから、そこでくるみを連れて、山に登る。なーんて、夢の計画を立てていた。

まぁ、面白そうな計画ではある。
というのが、私の第一印象。

でも、1日しか滞在しないのに、移動時間だけが異常に長いのはいかがなものか?途中の滞在先で楽しむ時間もないようだし。何より、車に乗って、15分で、よだれを垂らし、大ゲロを吐き、苦しそうに息を荒くするくるみに取って、この旅は地獄ではないだろうか?
などなど、考えれば考える程、「ないわ〜。」という気持ちが湧いてくる。だから、事前に約束した。

「まぁ、良いんじゃない。でも、くるみ次第では、途中でプラン変更もありでお願いします。」と。

結果、くるみの体調を考慮して、サービスエリアにマメに寄ったので、1日目で、予定の距離をこなせず、ペンシルベニア州の西の果にある、”一体、ここはどこ?”的な町で犬も泊まれるホテルを探し、滞在となった。朝8時半に出発し、夕方5時まで、7時間半もドライブしたのだが、400マイル(=640キロ)が限界であった。それでも、東京から青森近くまで移動したことになるわけで、そりゃ、十分だろう。

正直、私は、助手席で、10キロのくるみを膝に乗せ続けるのにも限界を感じていた。
”そういえば、こんな拷問あったなぁ。何だけっけ?石抱きの刑、って言ったかな?”

石抱きの刑


なんて事が頭の中に浮かんでは消えていた。
くるみも、運転中、ずっとおとなしく、丸まった状態でいないといけないわけで、それはそれでかなりのストレスであろう。
ホテルに到着するやいなや、自ら、ロビーへ突き進んで、部屋に飛び込み、ベッドにジャンプした。「あたし、こっちが良い。」と、言わんばかりであった。

ペンシルベニア州西の果てのホテル

夕食はホテル前にあった、地元民に人気っぽいバーガーショップに行った。
シグネチャーバーガーを頼んだのだが、これがまた、、、、牧場直輸入過ぎて、熟成されていないのか、肉自体が臭い。疲れているのだが、食が進まない。

ホテルの部屋に戻り、爆睡。

のつもりが、相方も相当疲れていたのであろう。いびきが爆音。眠れん。
途中、相方を揺り起こし、いびきを止める作業を夜中、繰り返す。
当然、相方も切れ切れ睡眠に・・・。

朝方、私は決心して、相方に伝えた。

「今日はどうするの?このまま、コロラド目指しても、後2日はかかるから、到着したらトンボ帰りになるけど。そうなると、何のために行くのか分からないんだけど。正直、ずっと高速のドライブは、キツすぎる。くるみに我慢させているし、私も全然、面白くないんですけど。」と。

相方は無言で、携帯を見始めた。
私も無言で、携帯で、今いる場所から行けそうな、犬が滞在して、楽しめる場所を検索し始めた。

結局、目的地は、NY州の北西部の街、Ithacaイサカ(Cayuga)で、滝めぐりの旅に変更となった。途中、1ストップで、バッファローに立ち寄り、アメリカ側からナイアガラの滝も観ることになった。

イサカの滝

つまり、NYCからひたすら西に西に進んだ道を、北東へ進路変更し、NY州に戻るわけである。一体全体、この初日の7時間半のドライブ時間はなんだったのか?という感じではあるが、”アメリカのキャラバンの旅は甘くない”ということを肌身に染みて理解したという収穫はあった。

それにしても、、、、

ペンシルベニア州、横に長すぎだろーっ!!







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