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肉体は男性、心は女性について:②脳=心?

そもそも、心が女性ってどういう意味なのだろう?

”Gender is not determined between the legs, but between the ears.”
”性別は脚の間(男性器や女性器)で決まるのではなく、耳の間(=脳)で決まる”

という、言葉を彼此20年以上前に知った。確か、1999年に発表された、”Boys don't cry”という、映画を観た時だったと記憶している。主人公は男性自認の女性の肉体を持った人物で、性転換手術はしていないが、胸にサラシみたいなものを巻き、男性らしい服装や髪型をしているので、一見、男性に見える。また、性的対象は女性だ。つまり、本人は完全に自分を男性と認識し、女性を愛する。その為、肉体と脳の認識とのギャップに苦しんでいるのも理解できた。同じように、逆バージョンである肉体は男性、脳が女性の場合も同様な苦しみがあるのも良く分かる。本人達が性転換手術をして、脳と肉体を一致させたいのは自然のことだと思う。

そして、それは、”脳”と”肉体”の性別不一致が原因で起こる問題なので、ここで一度、脳がどうやって性を認識するのか?を確認したい。

私は一時期、動物行動学者の竹内久美子さんの本にハマっていて、リチャード・ドーキンス博士のセルフィッシュジーン(利己的遺伝子)をベースとした動物行動学的視点から見る人間社会分析に魅了された人間である。
その時得た知識によると、”脳が男は男、女は女との認識”には理由がちゃんとあり、それは妊娠12週から22週の間の胎児の頃に、男の胎児の精巣からアンドロゲン(男性ホルモン)シャワーを脳が浴びることで起きると説明されている。つまり、脳がアンドロゲンシャワーを十分に浴びないと男性との認識を持てない可能性が高い。(※女の胎児はほぼアンドロゲンシャワー浴びない為、通常自分を男と認識しない。但し、女の胎児にも男性ホルモン(テストステロン)が存在するので、上記の映画の主人公のようなケースも生まれるのかもしれない。)

※ 興味のある方は、国立研究開発法人の文献”脳の性分化におよぼす発達期トルエン曝露の影響と作用機序”もご参照下さい。https://www.jstage.jst.go.jp/article/siej/13/1/13_1/_pdf/-char/ja

これが脳の性分化というものであり、上記の”性別は脚の間で決まるものではない。”という理論の裏付けである。

だが、ここで更に踏み込んで考えたいのは、”脳=心”なら、”肉体は男性でも心は女性は女性”であると言えるが、”脳心”なら、話は違ってくるのではないだろうか?

最初の疑問に戻るが、そもそも”心が女性”ってどういうことだろう?
私は、女性の肉体を持ち、女性と自認しているが、心は女性か?と問われると、良く分からない。もっと言えば、脳も女性か?という点にも自信がない。

次回は、自分を例に取って、”心が女性”について考えていきたい。


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