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エッセイ:ぜんぶ

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愛犬の話、ニューヨークの話、ランニングの話などなど、その時々の気になったことをつらづらと書いています。
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2021年10月の記事一覧

私と保護犬くるみの物語:くるみ⑮”自分で歩く”

あたちの気持ち分かってー!!って、ずっとガブガブしていたけど、なんか違うって最近、ちょっぴり気づいてきた。ママちゃんたちにガブガブしても、うまくいかない。わんこ同士だと、分かり合えるのに。あ、でも、コーフンして、面白くなって、強く噛むと、お兄ちゃんやお姉ちゃんわんこに、「えー加減にしろっ!」って怒られたっけ。。。おっきな手足でポーンと跳ね飛ばされたりも。。。 あたちは悪い子だと思う?ううん、ちょっぴりお転婆なだけ。くるみは良い子だよ。 パパちゃん、ママちゃんたちと同じ人間

あの絶望が今の自分を作っている。

人生で一番辛かったこと。 乳がん告知を受けたことより、術後、リンパ転移が見つかったこと。 それなりの時間を生きてきて、傷つくこと、辛かったこと、死にたいと思うほど、思いつめたこともあった。だけど、それが全部吹っ飛ぶぐらいの絶望を知った。何をどうポジティブに考えようとしても、その先にあるのは死しかなく、すべての目の前の出来事が意味をなさなくなる感覚。 そこからどう立ち直ったのか。それをどう乗り越えたのか。 自分ひとりの力ではない。乳がん先輩たちの声、家族や友人の支え、そ

私と保護犬くるみの物語:⑭わたし”自然の中に身を置く効果”

ちょいと育児ノイローゼ気味になっておりました(笑)。 2、3週間前からくるみの身体は急激に成長し、がっつり筋肉質な体つきになり、噛む力も強くなっていった。本人(本犬)は、恐怖期という時期の前で恐怖を感じられないからか、それとも、元々、気が強い性格なのか、甘噛みを怒っても、無視しても、立ち向かってくる。どうやら、それすら遊びの一種だと思っている節がある。 だけど、うちに来た時よりはガウガウは減ったと思っていたので、犬好きの友人をうちにご招待。しかし、、、 ・・・甘かった。

私と保護犬くるみの物語:くるみ⑬”昨日のあたちはあたちじゃない。”

昨日のあたちと今日のあたちは全然違う。 自分でも分かる。ベッドが小さくなったと思ったけど、違う。あたちが大きくなったんだ。あたちは自分の丸いベッドを二つに折って、抱っこして寝るのが好き。昨日まで、「うんしょ、うんしょ」と必死に折り曲げないと出来なかったのに、今日は超簡単に出来た。 そして、あたちのウンチをママちゃんとパパちゃんが食べているって思っていたけど、それが違うってことも分かった。あたちのウンチは、トイレってものに食べられていた。お水がグルングルン出てきて、あたちの

がん患者が新たに犬を飼うということ

2014年大晦日に”乳がん告知”を受けた時、私には11年連れ添ったロングヘアーチワワのミルキーを飼っていた。 2015年から始まったがん治療、一番、辛い時期、ミルキーが側にいた。 もしや、この仔を看取れずに私が先に逝く? なーんて思った瞬間もあった。だけど、ミルキーの年齢を考えると、どうやらそれはなさそうだ。看取って上げられる飼い主で良かったと思う日が来るなんて、想像していなかった。 それから2年、2016年12月、ミルキーが旅立って行った。看取れて良かったとの安堵感