「小説」Run for BEER
「あーっ!ビール、飲みてぇ!!!」
頭の中は、さっきからビールの画像で一杯だ。キンキンに冷えたグラスに注がれる黄金の液体。その上にふんわり乗っかる至福の泡。想像しだけで、うっとりとなる。だが、今は、うっとりしている場合じゃない。兎に角、後、10キロ、走り切らなくては。
走り切らなくては、と言いつつ、その実、ほぼ歩いている速度の俺。そりゃそうだ、もう70キロも山の中を、登ったり、降りたり、転んだり、起き上がったりしてんだもん。もっと、頑張れって?許してくれよ、俺は表彰台上が