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エッセイ:ぜんぶ

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愛犬の話、ニューヨークの話、ランニングの話などなど、その時々の気になったことをつらづらと書いています。
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2020年8月の記事一覧

「短編小説?」僕の不自由な生活

最近、頭の中が、ぼやっとすることが多い。 それなのに、寝ていると、たくさん夢を見る。その夢は、実際にあったことなのか、それとも、単なる夢なのか定かではない。 僕の名前はコーディ。人間が称するところでは、”犬”である。 生まれた場所は、テネシー。気が付いた時には、僕には、人間のママがいた。ママはとっても優しくって、僕が色んなイタズラをしても、「ダメ!」と怖い顔を作って叱るけど、心の中では、笑っていた。だけど、”噛む”行為だけは、「絶対、ダメ!」と、心の底から、僕に伝えてい

17 才だった私に父は聞いた。”車のハンドルにはなぜ遊びがあるんだと思う?”と。

ああ、この子は17才だった私だ、と思った。大きな違いは、彼女は真っ直ぐで、努力家で、正義の味方なところ。私は、もっと破壊者な思考だった。 腐りきった人間社会が、気持ち悪く、自分はそんな人間になりたくない、でも、それに乗っかった生き方をした方が楽だ、賢い生き方だと囁く自分とが常にせめぎ合い、ああ、もうだめだ、耐えられない、死ぬしかない。いや、この世界の方がおかしいのだから、死ぬ前に、破壊しよう。東京タワー、皇居、国会議事堂を一気に爆破したら、どんなにスッキリするだろう?そっか

かつて、ここにはマンハッタンという世界一の都市が存在していたんだって。

NYCマンハッタンの空き部屋率が最高値となったらしい。 今年3月半ばから、新型コロナウィルス パンデミックで、ロックダウンとなったこの街。ロックダウン解除と共に、息を吹き返そうとした矢先、Black Lives Matter運動が起こり、それに便乗した暴動で、街が破壊された。 今、世界の中心地とも言われるタイムズスクエア、ロックフェラーセンター、そして、5番街は、ビジネスマンや旅行者の数より、ホームレスやジャンキー達がうろつき、荒廃した雰囲気だ。かつての鼻に付くほどの煌び

あなたは、なぜ、歌う?踊る?奏でる?

私はアーティストではない。 でも、ニューヨークシティに住んでいる。 アメリカ生まれでもなく、会社の命令で来たわけでもなく、社会人になってから、自分の意志でこの街に住もうと決めた。もう、かれこれ20年以上前のことだ。 ニューヨークに憧れて住もうと決めた人たちの中には、ダンサーや音楽関係者、映像や絵、ファッション等に強い興味を持っている、所謂、アーティストが多い。 でも、私は違った。日本では旅行会社に勤めていた一般OL(表現、古っ!)、別に何か特別の能力や才能があるわけで

”老いる”こと。

うちには、3年半前にアダプトしたコーディというシニア犬がいる。 里親募集では8歳という触れ込みだったが、アダプト後、動物病院でX線検査をした際、「この骨の状態だと、もっと歳でしょうね。」と言われた。 つまり、年齢詐称犬である。 でも、現実として、10歳を越えた犬は引き取り手がぐんと減る。その上、当時、コーディは、皮膚病で顔以外の毛は禿げ状態。過去に事故に遭ったと思われ、軽いびっこ持ち。どう考えても、貰い手が殺到しそうにはない。 きっと、コーディをボランティアでケアした