悔しいことばかり

一張羅のスーツを脱がされ水色のパジャマを着させられ、またねの挨拶もなくドアをロックされ、隣の部屋の鳴き声が響いてくる部屋で俺は悔しさをブルースする。いい風呂の日なのに風呂に入れない。いわゆる幻聴が鳴りやまないけど、ほんとにパラレルワールドみたいなところから監視してる言葉が聞こえてくるような気がする。ここから出るヒントを与えてくれそうな思わせぶりな言葉の数々が飯を食う権利さえ俺から遠ざける。ここでは時間が重要だ。誰かが何かを知ってる。そんな妄想じみた確信が俺の退院を遠ざける。コロナワクチン打ちますよ、拒否権はない、どれだけ正論を並べても拘束されて無理やりぶち込まれるのがオチだ。精神科病棟、人権は
ない。看護師が正常、俺らは異常、バレンタインよ、ってくれた看護師がちっっちぇえチョコどうせ患者からもらったチョコをゴミ扱い横流し、思わせぶりで影で笑う女看護師。こんなへんちくでも周りに恵まれて明るくやってきたのによ、ここじゃお前はおかしいって全部を否定。明るいはハイ、元気は暴力的、看護師の査定、患者同士の告げ口、薬の量でマウント取り合うしょーもないやりとり、元ヤンが多いし痛いやつが多い、刑務所みたいだからって刑務所の真似事、まずい飯、もう戻らない。精神科病棟に正解はない。精神科に意味はない。薬を飲んでリスクを下げるだけ。確率のたかいクジ引きに今日も参加

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