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私がヒールを履かない理由

私はヒールのある靴を履かない。
そういえばスカートも数えるほどしか履いたことがない。
基本はパンツスタイル+スニーカー。

今はフルリモートワークだから家で仕事しているけれど部屋着じゃなくて一応ちゃんと着替えて仕事している。
以前の営業職の時もスーツじゃなくて私服で良かったので、なんとなくちゃんとしている風に見えるパンツに襟付きのシャツとかシャツワンピみたいなものを着て営業周りに行っていた。足元はレザーのスニーカーとか一見ちゃんと見えるけど実はカジュアルなぺたんこ靴だった。(男性社員はみんなスーツだったけど、女性社員は比較的自由な会社だった)

多くの女性はおしゃれでステキなヒールを履いている。
女性らしいスカートにヒールを合わせるととってもステキだ。
でも私はヒールを履かない。

ヒールを履かないので多くの男性から見たら女性としての魅力はないだろうが、そんなことはあまり気にしていない。
ヒール履けばいいのに、と女性たちから言われたこともあるがやっぱりヒールを履くことのメリットは感じられなかった。

まず物理的にヒールのある靴は足が痛くなるし、疲れる。
それに慣れていないのでつまづく、コケる。
あとはあのカツカツとした音が苦手だ。

もう一つの理由は
まったくもって機動性が低いから
である。

機能性ではなくて機動性だ。

きどう‐りょく【機動力】
1 戦略・戦術上の必要に応じ、軍隊として迅速に行動する能力。

2 状況に応じてすばやく活動できる能力。

Weblio辞書 デジタル大辞泉より引用

こんなことを言ったら「え?」と思われてしまいそうだが、
もし外出先で何かが起こった時、ヒールを履いていたらすぐに逃げられないじゃないか。
危険な人が迫ってきたら?暴走車が突っ込んできたら?
私はヒールを履いて危険から逃れられる自信がない。

いやいや、この安全な日本でそんなことが起こるわけないじゃないか。
そう言われたらたしかにそうだ。
逆に言えば安全な日本だからこそ安心してヒールを履くことができるのだろう。なにかが起こったときはそばに助けてくれる人もいるのだろうし。

だけど最近の世界を見ていると「日本ならいつも安全で安心」とも言っていられないような気がしている。
突然、暴走車が突っ込んでくることもあるし
突然、電車の中で危険な人がナイフを振り回したり火をつけたりすることもある。
突然、ミサイルを打ち込まれたり
突然、戦争が始まることだってないとは言い切れない。
地震などの自然災害もいつ起こるか分からない。

私は常日頃から「なにか」に備えたい病なのかもしれない。
ヒールを履かないこともそうだけれど、ちょっとした散歩でも必ずお金や水を持ち歩いたり、普段使っているリュックはそのリュックさえ持っていれば数日ならどこでも暮らせるような荷物も入っている。

この安全で平和な日本ではヒールを履いていても、大きな荷物を持ち歩かなくても日々何事もなく安心して暮らすことができるのに。

何がそうさせるのかはわからないが、そういう性格なのだと自分では理解している。

このnoteを書こうと思ったきっかけはパートナーと近所のスーパーに買い物に行った時のこと、後ろからヒールをカツカツと鳴らしながら歩いてくる人がいてちょっとその音が気になっていた。
ふとパートナーと私の足音を観察してみたら二人とも全然足音がしないのだ(笑)まるで忍者のように。音も立てず足早に移動する二人。後ろからはカツカツとヒールの人が迫る。
男性・女性問わず、ヒールとか靴の音って後ろから迫ってくると意外と緊張するものだ。追い立てられているわけではないのになんだか急いでしまう。

忍者のように音を立てずに歩きたい私はヒールの音にもメリットを感じていないようだ。
あの音って私には(言い方は悪いけれど)「ここに女性がいますよ〜!」とアピールしているように聞こえてしまうのだ。

女性らしさの強調と言う意味では問題ないと思う。だけど「女性を狙っている危険な人」や夜間・人気のない道にとっては目印になってしまうんじゃないかと。

私はもうおばちゃんだし忍者のように音も立てず周りを警戒しながら歩く怪しい人だから危険な人もよってこないだろうけど(笑)もし危険な人が潜んでいる夜道を歩かなければならない時、ヒールのカツカツ音がその危険な人を呼び寄せてしまうのではないかと不安になってしまうのだ。
(こういうふうに書くと「被害者の自己責任論」を持ち出す人がいるがそういう意味ではない。もちろんヒールを履いているから危険な目に合うのではなく、当然危険な人に全面的な責任がある。)

ごちゃごちゃと書いてしまったが、要するにヒールを履いてさっそうとステキに歩く人が羨ましいのかもしれないね。
人は人。私は私。
今日も音を立てずに街を歩く。ぺたんこ靴とデカいバックパックで。





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