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縁の話

 人の縁というものはなかなかに不思議なものである。何処かで産まれた縁がまた次の縁へ繋がっていき最終的に思いもよらぬ場所から自分にとって大きなプラスが生まれる、そんなことが往々にしてある。私の経験から一例を出してみよう。

 最初は当時通っていた学校の休み時間だったと記憶している。飯を食べたあとに適当に部屋の中を見ているとスマホを取り出してTwitterを弄っている奴がいた。そいつと話したことはないし基本一人でいる印象を持っていたがたまに音ゲーをしてるような様子を見た記憶があり、なによりちらっと目に入ったTwitterの画面には任天堂のアイコンが見えた。(気が合うかもしれんな…)なんとなく同じ波動を感じた私はそいつの座ってる所まで歩いていって「ゲーム好きなの?」「なんのゲーム見てるの?」そんな感じの先制パンチをかまし話を切り出した。そこでそいつがチェックしていたゲームはsplatoonという名前だった。そいつとは互いにゲームが好きということもあって仲良くなり、splatoonが発売された後にそいつの家で実際にWiiUで遊ばせてもらってWiiUごと購入することを決めた。そいつが居なかったら買ってなかったとまでは言わないが買うタイミングは大幅に遅くなっていただろう。自分にとってsplatoonはそんな縁から買うことを決めたゲームだった。

 その後splatoonをしこたまやった。当時はネットを通じた対戦ゲームというものに小さくない抵抗感を感じていたのだが、そんなものは気にならなくなるくらい楽しかったのを覚えている。ただ無印の頃は元から仲の良かった人間としか遊んでおらず縁というものはそこまで広がらなかったと記憶している。時は経ちsplatoon2が発売され当然のように購入。どうせ品切れになるだろうと見越してソフトが発売される前に先んじてswitchを購入するほど待ち望んでいた。暫くは無印の頃と同じようなスタンスで遊んでいたが、そんなある日にフレンドが「人が足りないから誰か遊ぼうや」と言っていたのに乗っかって遊びに行った。すると、その中にボイスロイドを使ったスプラ動画を作ってる人がいて動画やイカの話をワイワイしていた。自分もイカの話は出来たので話に混ざってみると話は盛り上がり、そんな中遊ぶゲームもすごく楽しかった。(こんな場に混ざれるのなら自分も動画作ってみようかな)今思うとここが縁が爆発的に広がるきっかけだったのだろう。

 その後、ボイロのスプラ動画を作っている人たちと頻繁に関わるようになった。「まだ動画作ったことはないですが、作りたいという興味はあります」と伝えると「いいね~」と快く迎えてくれた。キャプチャーボードが中々に高く買うまでに時間がかかったので実際に動画を作るまで少しあったが、動画を作って投稿した後は仲良くなった投稿者のツテで別の投稿者と知り合ったり、今でも頻繁に遊ぶ奴が開催したボイロスプラ動画の交流大会のお陰で一気に知り合いの輪が広がったりした。今思うと最初はただ他人と遊びたかった側面がかなり強かった気もするがそうやって人と人との縁は増えていった。

 そこからイカ以外にも派生した。これ面白いから遊んでみよう、仲良くなった人からそう言われ様々なものを遊ぶことになった。APEX、Minecraft、サティスファクトリー、Terraria、プリコネ、モンハンライズ、ブルーアーカイブ、ヴァロラント、本や音楽などゲーム以外にも色々なものを教えてもらいその面白さや良さをイカ経由で仲良くなった人から知った。特にプリコネは他のものに比べると深く遊んだのでそこからまた別のコミュニティに飛び込み広がっていくなどしたし、ここにはとても書ききれない程に縁は無数に広がっていた。

 これらはもとを正せばあの日教室でsplatoonを見ていた未来の友に話しかけたから発生、連鎖していった縁である。「風が吹けば桶屋が儲かる」「ブラジルの蝶の羽ばたきがテキサスで竜巻を起こす」まさにそのような話だ。嫌なことも勿論あったが得られた良き経験に比べればそれらはミミカスのようなもので取るに足らないと言ってもいいだろう。来月からはsplatoon3が始まる。昔ほど新たな縁を求めているわけではないが、任天堂のビックタイトルの続編をネットの海で遊んでいれば出来る縁もあるだろう。人脈は広げて損はないもの。来る者拒まず去る者追わず位のスタンスで楽しんでいきたい。



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