見出し画像

こいつとこいつについて思ったこと

 この文章には「プリンセスコネクトRe:diveのメインストーリー二部」及び「ブルーアーカイブのエデン条約編」のネタバレを含みます。ご了承下さい。

 物語には必ず悪役というものが存在します。「そいつが悪いやつだったから」「どうしても譲れぬものを守るためにやるしかなかったから」「それが悪いことだという認識がなかったから」悪役が悪役たる行動を取る理由は様々でしょう。私が今回この文章を書き始めたのはプリコネとブルアカの物語を読んでいて「悪意を持って主人公と対峙した悪役が味方側に回る」という流れについて少々複雑な気持ちが自分の中で渦巻いたからです。

 ブルーアーカイブには「サオリ」というキャラが居ます。元々明確に敵意と悪意を持った敵として先生(ブルアカの主人公)の前に出てきたあとに紆余曲折を経て今はプレイアブルとして使えるキャラとなっています。そして、プリコネには「ミソラ」というキャラが居ます。敵意は薄いものの悪いことをしているという明確な自覚と悪意を持って物語に関わっており、まだこのキャラが騎士君(プリコネの主人公)にとって敵となるか味方となるかは明確に決まっていない状態です。自分はこのサオリに対してプレイアブルになるには悪行の清算が甘いと感じており、仮にミソラが仲間になる流れになったときに同じようなことになったら嫌だなというのが先程書いた複雑な気持ちの概要です。より細かく話すために二人の詳細を書いていきましょう。

錠前サオリ

 サオリが産まれた地で生きていくにはその地区の独裁者の意向に従うしか無い状況でした。トリニティという学園への恨みを半ば刷り込みに近い形で持たされており、アリウススクアッドという自分のチームの仲間を守ることが第一目的のキャラです。取った悪行としてはトリニティの為政者の一人の殺害未遂、トリニティを含む2学園の和平条約締結の場でクーデターを起こしセレモニーをグチャグチャにする、先生を銃撃し瀕死の重傷を負わせる、といったところです。その後の顛末としてクーデターは失敗、サオリは独裁者から見限られます。独裁者はサオリの大切な仲間の一人であるアツコを犠牲にする儀式を執り行うためにアツコをサオリの元より取り上げてしまいます。このままでは誰一人として仲間を守れないと判断したサオリは銃殺までしようとした先生に頭を下げて協力を頼み込み独裁者をスクアッドの仲間と共に打倒。追われる身なので裏社会で生きていくしかないが生きていくこと自体には前向きになりそのお話は終わります。

ストーリー追加お祝い画像カッコよくてすこ

後述のミソラとサオリの一番の違いは自分のためのではなく仲間を助けるための悪行だという点です。しかし、私は自分のためだとか他人のためだとかそういうものは関係ないと思っています。己の求めるものを通すために他者を傷つけたことに変わりはなく、他者のためであれば他者を傷付けて良いなどというロジックが通るわけがない、罪の重さはそう変わらないと言う考えです。サオリは先生とミカという名前の生徒とは対話を行い謝罪や許しの機会を取っていますが、それ以外の多大な迷惑をかけた者たちへは謝罪はしてない状態でお話が終わりました。罪を償うというよりは前向きに生きていくという落ちであり(リーダーとしてメンバーを引き連れて間違った行動を取ったのにそれは無責任すぎるのではないか?)私はそう感じてしまいプレイアブルになったことに少なくない抵抗を感じてしまいました。せめてクーデターやらなんやらで迷惑をかけまくったトリニティへの何かしらの行動は欲しかったかな……。というか少なくとも殺しかけたセイアには謝れや。ミカは本気でアリウスとトリニティの和解を望んでいるという描写があったので今後エデン条約編が展開していくならそんな感じの方向で話を進めてアリウス達の生徒たちのトリニティへの胸の内とそれを踏まえた上での行動を見てみたいですね。先生はアリウスの生徒たちが自分で答えを出すのを望んでいたしな。

流ミソラ

 そして、ミソラの話。彼女は超能力として生まれ、両親はお金を稼ぎたかったのか自分の娘を超能力者としてTVへ出演させます。その結果、超能力を研究している者たちにミソラは拐われ10年間実験動物として監禁されてしました。超能力者は貴重なので丁重には扱われたものの10年もの間まともな生活を送れなかったミソラは「可哀想」と思われることに異常なまでの不快感を示します。二部の話でミソラが黒幕のエリスに手を貸していた理由が「騎士君という想い人を見ることはできても干渉すら出来ないどころか延々と想い人の死のループを見させられているエリスというあまりにも可哀想な存在を助けることができれば、そんな私はきっと可哀想な人間ではないから」というものであるほど可哀想な自分を嫌がっているのです。「私なんて憎まれて石を投げられるくらいが丁度いい」「皆歩み寄ってくるけど許してくれないのが心地がいい」という趣旨の発言があるので、おそらく他者から差し伸べられる救いの手や哀れみの目線が嫌いなのだと私は考えています。取った悪行としては自分の目的を叶えるための作戦の過程で何回か街中で暴れ回る、最初に所属していたギルドを裏切る、騎士君の仲間の捕縛及び洗脳、世界の歪みの原因となった少女を捕えて軟禁するために事実を突き付け精神的に追い詰める、騎士君を捕らえエリスのもとへ届ける、といったところです。そんな彼女は「もうエリスは本当に可愛そうな状態からは脱したので自分の手助けはもう終わり」と語り、エリスの計画が上手く進めば世界が終わると知っていて逃げ出せる状況だったのに逃げ出さずに世界ごと消えることを望んでいました。

腹立つんだよなこの女

正直、他者からの哀れみが耐えられないというささやかな理由でありとあらゆる事をニコニコしながらこなす様は狂気の沙汰でどちらかと言えばそれは好みです。しかし、散々好き勝手やっといて「今ありとあらゆる人から哀れみではなく恨みや憎しみが自分に向けられてて最高に望みが叶ってる状態だからこの場で死んで終わらせよう」という後ろ向きに積極的な自殺は美しさが微塵も感じられない行為であり今までのミソラの悪行なんかよりダントツでイラッときました。一時期はミソラに対して退場すればいいのにとまで思っていましたが、それでは彼女の望みを叶えることになってしまいものすごく癪です。なのでプレイアブルになるならないはどちらでもいいので今後も迷惑をかけまくったユイやランファ辺りに滅茶苦茶に寄り添われながら嫌いな他者の気遣いの心を受けて苦しみながら生き続けてほしいと私は思ってしまいました。なので、仮にミソラがプレイアブルになったとして特になんの罰や後悔もせずにキャラストなどで騎士君に普通にデレデレし始めたら滅茶苦茶に嫌な顔をすると思います。

これはヨリからミソラへの火の玉ストレート

 というのがここ最近のゲームのストーリーを読んでいて私が感じたことです。お気持ち表明爆発して3000文字弱書きましたが、要するに最初にサオリに対して書いていた「悪行の清算が甘いキャラがプレイアブルになると嫌だな」ってことが全てです。所詮、私は口を開けてストーリー追加という餌を待っている雛鳥に過ぎないのでお気持ち表明レベルではありますがこのように自分の気持ちを整理するのも悪くないですね。プリコネもブルアカもストーリー追加が楽しみだね、そんな言葉でこの話を〆ようと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?