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言葉の神は細部に宿る

くろねこです。

あなたは文章を書くときに
「刺さる一言を書きたい!」
「最高のキャッチコピーを書きたい!」
「名言を残したい!」
こんな風に考えたことはありますか?

私はあります。

読者から「このセリフかっこいい!」とか「これ刺さりました!」とか言われたいじゃないですか?

だからライティング勉強し始めた当時は、自称名言に繋がるように構成を考えて、その部分を赤文字で強調したりなんかして、なんとか名言として認めてもらおうとしていました。


文章は減点方式

この考え方が間違っていることに気づいたのはデータを取り始めてからです。


今の時代便利なものでヒートマップというツールを使えば、読者がどこまで読んでいるか?どこをタップしているか?というのを可視化できるんですね。GoogleAnalyticsを使えば、そのページに何分か滞在しているか見ることもできます。

名称未設定

(こんな感じでタップしているところに色がつきます。)


ヒートマップで見てみると、そもそも僕が名言として設置したところまで読んでくれてないんです。

それまでの部分で離脱してしまってるんですね。どこで離脱しているか一つ一つ見ていくと、、、細かい表現のアラであったり、読者の知らない言葉(普段使わない言葉)を使っている部分であったり、一見気づかないような部分で離脱していました。

小説や漫画、映画などを見た後に印象に残るのは、名言と呼ばれるキーセンテンスですが、文章全体は減点方式で読まれています

平均点ではなく、減点方式です。


だからどれだけいいフレーズが物語後半に待ち構えていても、前半部分で落第点を食らってしまえば挽回できません。その時点で離脱されてしまうんです。

前半部分の減点で-100点となってしまうと、後半部分に+100点分の至高の名言があったとしても、合計点数±0点にはなりません。

前半部分の-100点でほとんどの人が離脱してしまうので-100点の文章として認知されてしまいます。

最後まで読んだ人でも読後感として残るのは「読み辛かったなー」という印象。±0にはなりません。

ほんの一部分で読者の記憶に残る文章を書くのは非常に難易度が高いです。ですが、ほんの一部分で読者の記憶から消える文章は簡単に生まれてしまいます。

文章を書く上で意識を払うべきは、記憶に残る名言を書くことではなく、記憶に残らない文章になることを避けることです。


こんなところから減点されます

実際に私の講座を受講している生徒さんが書いた文章の例を紹介します。

その方が書いたテキストにこんなフレーズがありました。

○○さん著書の▲▲からの情報がメインです。

この1文を読んだ時にあなたはどんな印象を受けますか?

「▲▲を読んだ方は良いやん!」
「▲▲は読んだことあるから読む意味ないか!」

私はこんな印象を持ちました。

でも、内容は全然違うんですね。
本の内容だけじゃなく、生徒さん自身の実体験や、生徒さんが携わっている患者さんの経験も踏まえた文章になっています。

だからこの表現がすごく勿体無い。

実際のところ、この部分以降には本には書かれていないような内容も含まれていました。
その情報が欲しい人もいるはずなのに、先ほどの1文で離脱されているかもしれない。勿体無い。

30ページのPDFの中のたった1文です。
でもこの1文を改善することで、離脱率を減らすことができます。


コピーライティングの原則「3つのNot」
 ・Not Read:読まない
 ・Not Believe:信じない
 ・Not Act:行動しない

読者は基本的にあなたの文章を読みたくありません。
無意識的に読まない理由を探しながら読んでいます
だから読まない理由を見つけるとそれが些細なものであっても離脱します。
他の文章を読みにいきます。

離脱されないためにも細部までこだわるようにしましょう。


減点されないために

文章を書いた後、必ず見直しをしています。
私は自分の文章を常に疑っています。
この表現が最適か?読者に伝わる言葉か?違和感を与えないか?

私が実際に見直しする流れをお伝えします。参考になれば嬉しいです。


音読する

書いた文章を脳内で処理してしまうと、書いた表現をそのまま受け入れてしまいます。自分が書いた文章なんだから脳内で処理すると、疑うことなく受け入れてしまう可能性が高いです。

だから声に出すことで、脳から外に出しています。
そして耳で受け取ることで、違和感がないかを確認する。

このプロセスを踏むことで書いている最中に気付けなかったことに気付けるようになります。

ポイントは「脳から外に出す」です。

人間の脳は無意識的に都合いいように解釈する機能が備わっています。自分を過信しすぎないようにしてください。


1日寝かす

人間の脳は何かに没頭すると、頭がそのモードになってしまっています。

だから夢中で文章を書き上げると、あなたの脳はその分野の知識に染まっています。

その状態で見直ししても、読者目線には立てません。

読者はあなたの文章を初めて読む人です。
文章を書き終えた直後のあなたは、その分野に精通した人です。

どうしても目線が異なります。
だから私は1日置くようにしています。

書き上げる
 ↓
音読・修正
 ↓
1日置く
 ↓
修正する

こんな流れです。
1日置くことで脳がリフレッシュされた状態で文章を読むことができます。
この方が読者目線に近いです。


第三者に読んでもらう

1日寝かした後のチェックまで終えたら、あなたができる範囲の修正は終わりです。
次は第三者に頼りましょう。

読んでもらう相手は「本音でアドバイスをくれる人」、そして「ペルソナに近い人」がベストです。

第三者に読んでもらった場合に起こりがちなのが、「読者があなたに気を使ってプラスのコメントしかしないこと」です。

もしあなたが、集客のために良い口コミを集めたいのであればそれで構いません。
ですが、ここでの目的は「文章を良くすること」です。
その目的においては、気使いは無用です。


そしてペルソナに近い人に読んでもらうようにしましょう。

例えばカレーの作り方を教える場合、料理し慣れている主婦に伝えるのと、これから一人暮らしを始める男子学生(料理未経験)に伝えるのでは、全く伝え方が異なります。

料理未経験の人の場合は、強火・中火・弱火なんかもちゃんと分かってません。
じゃがいもの皮の剥き方だって怪しい。

Q.カレーの作り方でそんなことまで書かないといけないか?

A.書いてください。あなたのペルソナが料理未経験者の場合は書いてください。少なくとも解説しているページのリンクは貼ってください。

かといって、そこまで丁寧に書いた記事を、料理ができる主婦が読むとクドく感じてしまいます。

主婦の方から「じゃがいもの皮の剥き方なんてみんな分かってるからいらないわよ」と言われても主婦の言う「みんな」は主婦友達であって、料理未経験の男子学生はいません。

その主婦の方のアドバイスを真に受けて、細かい説明を省いた記事を書くと、本来読んでほしい男子学生は途中で離脱してしまいます。

第三者は誰でもいいわけではありません。

あなたが本来読んでほしい人、その人物像に近い人から正直な意見をもらうようにしましょう!


マイクロコピー

コピーライティングの世界には「マイクロコピー」と呼ばれる概念があります。

マイクロコピーはWebページのボタン周りやエラーメッセージ、写真のキャプションなど、細部に至る文言(コピー)のことです。
例えば

見出しを追加 (3)

AとBのボタン、どちらがクリック率が高いと思いますか?


正解はBです。
Bの方が1.5倍もクリック率が良かったそうです。
(引用:「The MICRO COPY WRITING 」P.25)

パッと見何も変わらないように見える2つのボタンですが、言葉を並び替えるだけで1.5倍の差が出ます。

月に1,000万円売り上げる会社であれば500万円の売上アップ、1億円売り上げる会社であれば5,000万円の売上アップです。

それにかかったコストはボタン文言を修正するだけ。10分もあれば終わる作業です。


Webライティングにおいて、マイクロコピーは非常に大切です。

本来売上を50%あげようと思ったら、広告費と投下するかSEO対策、SNSアカウント育成などをして流入を増やすしかありません。
いずれにせよ多大なコストがかかります。

ですが、それがマイクロコピーの場合は10分で済みます。


マイクロコピーには正解がありません。
あるサイトではAをBに修正してクリック率が改善したが、別のサイトでは同じ修正をしてクリック率が下がる、なんてことはよくあります。

読者層が違うからです。
読者が違えば、言葉に対する反応も違います。
安いものに反応する層もいれば、安いものは疑ってかかる層もいます。

あなたの文章を読む人はどんな言葉に反応するか?検証しながら改善していく他ありません。


まとめ

Webという場所は多くのアクセスが集められる場所です。あなたの言葉を多くの人が読みます。

ただしそこに投げかける言葉が荒いものだと、誰にも届きません。

目の粗い網を放っているようなもの。引き上げたところで何も捕まりません。

あなたがするべきは一つ一つ網の目を小さくしていく地道な作業です。
その細かい作業をやり遂げた文章だけが多くの人に読まれ、あなたの言葉を相手の心に届けることができます。

Web発信は効率がいいは嘘です。Webでの発信こそ地道な改善が求められます。一緒に頑張っていきましょう。

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