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【旅メモ お遍路をゆく】 4日目 13番札所(が意外に近かったわ~)
朝起きたら雨。予報通りと言えば予報通り。あー、でも初お遍路でがっつり雨はこれが初!さあ、この日に備えて持ってきた靴カバーを使おう。今日もちょっとした峠越えがあるので、そんなものを履いても山道を歩けるのか、登山では経験がないだけにちょい不安だけど仕方がない。靴が濡れるよりずっとマシ!何事もまずはやってみる、が私の信条(笑)
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7時半お宿を出発。さてここから13番札所へのルートは複数あるらしいけど、私は玉が峠ルートを選択。宿を出てほどなく峠に続く山道に入り、まずは阿野集落を目指す。このルートはとにかく眺めが良いらしい(って雨の日なので期待薄ですけど)。
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王が峠までは高低差約150mのちょっと急な登り。
30分もしないうちに峠に到着。
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ちょっとほっこりした看板
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その前に佇むお地蔵様に遭遇~
そしてこの先は「天空のお遍路」が待っている。なんだけど、どの山見てもかなりの木が白?いや茶色?になっていることにふと目が留まる。そうだった、確か初日も近くの山みて「あれは何?」と思ったっけ。そしてこの日初めて「あ~、こ、この匂いは・・・、栗の木じゃ~!!!」(注:私はあのむせるような栗の花の匂いが嫌い)と大量の栗の木であることを確認した。
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げげっ、山が栗の木だらけじゃないの
でもそれは許せるほどの美しい景色が目の前に広がり、斜面のすだち畑の白い花からは甘~い匂いが漂う。とはいっても雨だからね、景色は遠くまでは見通せない。でも山の間にぽっかりと空いたこの空間をのんびりと下りながら歩くお遍路道は雨でもサイコー。さすが天空のお遍路。とりあえず今日はあと下るだけ。なんだか楽し~♪
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甘夏の花と識別がむずいのよ
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でもこの大きな木、集落の中心で守り神みたいでした
雄大な景色の中を楽しみながら歩いて、目指した阿野集落までは割とすぐに着いた感じですが、集落に入りかけた辺りでかかしがあちこちに現われ始めます。それがのんびりと縁側に座っていたり、椅子に座っていたりとふつーの日常場面を上手く再現してまして。後から知ったところによると、阿野はかかしの里として有名なんだそうです。なるほどぉ~。今まで見たかかしの中で確かに一番人間に見間違えるほどだった、うん。
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ふつーにあるあるの光景
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今日は雨宿りに見えます
さて次のお遍路目印は植村旅館。ここまで来たら右折して鮎喰川で橋を一度渡ります。
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みて、山のむこうに、くっ、栗の木が見える~!!!
川を渡ってすぐ左折。ここから集落の細い道を上っていきます。ここでもお見送りのかかしがいました。このファッションセンス、イケてる。
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残り12キロだとちょっと早く着きすぎかもな~
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もう一度鮎喰川を渡ります
ちと細すぎて真面目に慎重になりました(笑)
さて、ここで国道20号に出たので、次は21号とぶつかる阿野橋までひたすら歩きます。ここはまだ交通量はそれほど多くないので歩きやすかったかな。
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阿野橋を渡り、国道21号に出ると交通量は急に増えた感じに。鮎喰川沿いを歩くことに変わりはないけど、歩道はまったくない。き、危険・・・。
ここは命の安全を優先しよう、ということで歩ける幅の広い方を常に歩くことに決めた。でも左右どちらも細~い幅しかないところで、トラックが結構なスピードで走ってくるとヒヤっとします。こういう道は苦手だわー。早くのどかで人のいない田舎道を歩きたい、と思ってしまう。
さて鮎喰川で潜水橋を渡ってから、かれこれ2時間経過。目の前にまた甘夏の販売所が現れた。だけどああ~、またしても買えない!!12個入りを3袋くらい買いたい、でも買えない(笑) 残念過ぎる・・・。
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12個で500円って・・・安すぎるだろ!
残念さを引きずっている間にほどなく徳島市入口に到着~。大日寺まであと1時間くらいってとこ。
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としばし考える(笑)
12時19分、着いたよ、大日寺。
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大日寺は、山門が国道21号線に直面しています。山門全体の写真を撮ろうと後ずさると、道に出ざるを得ず車にひかれそうでかなり危険です(笑)
山門正面奥には、ふんわりとほほ笑むしあわせ観音様が佇んでおられます。入ってすぐに目が合います。その瞬間に、ゆるっと空間が和らぐ感じで気持ちが和みました。微笑むって、パワーがあるのね。見習おう。
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さてさて、12時半にはお参りも終えてしまい、かつ1日20~25キロ移動目安としていたため、21キロ歩いた今日はここから数分の「名西旅館」さんを予約していました。「こりゃもうちょっといけたな~」と少し残念にも思いつつも「いやいや最後となる明日は歩く距離自体が短いから」とここでの宿泊を自分に納得させる(笑) でも山道でなければ1日30キロ目安でもとりあえずいけそうだなーということはわかりました。
さて、この名西旅館についてはちょっと語っておきたい。12時半ごろ旅館の玄関に着いたのですが、「えっ、こ、こんなに混んでいるの?」と思うくらい靴が並んでいてまずびっくり。しかもスリッパも同じぐらい出ている。玄関からはそのまま広い廊下と食堂にスペースに繋がっていて、受付らしき窓はあるけど誰もいない。しばらく待ったが誰もこない。ようやくやってきたおじいちゃんに早く着いたことを告げると、もう入れるよと入れてくれた。が、どうやらこのおじいちゃんが食事の配膳からお風呂の準備まで1人で切盛りしているようだった。
名西旅館はとにかく食事がすごかった。おじいちゃん、あっぱれ!
食事中、おじいちゃんは近くのテーブルに座ってお替り要求にスタンバイ。
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鍋、天ぷら、刺身、酢の物、最初からご飯てんこ盛り
そしておじいちゃんがもっと食べろと言ってくる(笑)
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ハマりそう
夕食で、逆打ち中で5月連休中に結願予定だというダンディな埼玉からのおじさまと隣席しました。今回は3月中旬頃からスタートして4回目なのだとか。本当は通しでやりたかったんだけど会社員なので難しいんですぅと残念がる私に、おじさん曰く、働きながら(区切りで)お遍路するのが一番楽しいよ、とのこと。なるほど、わかる。確かにここまで辛いと思ったことがなかった。初めてで物珍しいこともあるけど、歩くのが毎日楽しすぎて(笑)
これで楽しいまま帰るでしょ。で、また区切りで来るでしょ。
ん・・・? 楽しいままじゃん(笑)と気が付いた4日目。お遍路は(なぜか)辛いもの?というイメージがガラガラと崩れていく瞬間でした。それにみんな挨拶は「何巡目ですか?」なんだよ(笑)
なぜ私はお遍路は人生に一度切りと思い込んでいたんだろ?お遍路は大変だっていうイメージから当然?何度も繰り返すものと思わなかったんだけど、そういえば納札は回数で色違いだ。100回越えれば錦バージョンだってあるんだもの。その時気づけよ、私!って感じでした(笑)
あとひとつ驚いたこと。歩きお遍路は全体の2割ってこと。まじか・・・。
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