【映画メモ】マスター・オブ・カンフー【#33】
解説はwowowから
本当の霍元甲がどういう人かWikipediaをまとめると、子供の頃は病弱でしたが独学で武術を身に付けて、24歳の時に地元の名手を打ち負かします。それで父親に認められて家伝の秘宗拳(別名は燕青拳・迷蹤芸など)を伝授されます。1909年、41歳の時に、上海精武体操学校(上海精武体育会の前身)を創設しました。身長170数cm、体重約90kgだったと記録されています。ある公開試合で日本人武術家に勝ったことで怨みを持たれて、毒殺されたという逸話が広く知られていますが、これは全くの俗説です。彼の親族や現存する弟子たちの証言によると、試合はあくまでも友好的なもので過激な内容ではなかったそうです。死因は、持病の肝硬変だったようです。生来肝臓を病んでいて、黄疸が出ていたのか「黄面虎」と呼ばれていたようです。
この俗説を題材にしたシーンとしては、ブルース・リーの『ドラゴン怒りの鉄拳』や、ジェット・リーの『SPIRIT』などがあります。SPIRITでは、相手の日本人武術家を中村獅童が演じています。
映画としては、今までのカンフー映画とは少し違いました。最初のシーンで、公開試合で、ある中国人武術家が日本人武術家に敗れて、中国武術が貶められます。そこに霍元甲始が現れ、映画が始まりますが、そこから過去の回想シーンとなります。霍元甲が若かりしとき、父親に「拳よりも徳を重んじろ」と言われ、その意味を探すのがメインストーリーです。もちろんアクションシーンも出てきますが、それよりも主人公の霍元甲がどうやって成長していったかが描かれています。最初は強さだけを追い求め、自分の強さをひけらかしますが、徐々に多くのことを学んで人として成長してくところは、今までにないカンフー映画でした。
そして、最後はアクションシーンは無く、公開試合の会場へ向かうシーンで終わります。最初のシーンで出てきた霍元甲が、実は武術家としての強さだけでなく、人としても徳を積んで成長し、皆から信頼されていることが感じられます。
ちょっといつもと違うカンフー映画で面白かったです。だからと言って、主人公のカンフーがしょぼいことはなく、霍元甲を演じるだけあって素晴らしいアクションでした。秋の夜長にぴったりの良い終わり方の映画です。
ちなみに、日本で秘宗拳といえば常松勝さんです。超実戦派で、忖度とか幻想とか無しに、リアルに中国武術のすごさを伝えている一人だと思います。
おわり
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