幼馴染と話したことについて

 先日の研修での帰り、同期であり幼馴染でもある先生(K)と一緒になったので、俺の車で一緒に帰ることにした。

 Kは、幼いころからの親友だった。小さいころからスポーツが得意で、自分の意見をはっきり言える、憧れの存在。今でも尊敬している。小学校ではずっと別のクラスで疎遠だったが、中学3年で同じクラスになり、またよく話すようになった。

 高校は別々になり、次に再会したのは大学院だった。不思議な縁を感じた。うちの院にくるということは、たぶん教員になるんだろうと思っていたら、やっぱり同じ自治体、地域に配属されることになった。それから10年くらい、いつか一緒に仕事ができたらと思いながら働いていた。
 
 Kが、奥さんの実家の近くである、東京に移り住むときいたとき、「もしかしたら、これが最後かもしれない」と、何となく思った。だから、カーナビが示す高速道路ではなく、渋滞気味の国道を走り続けた。Kも、同じように感じたのではないかと思う。嫌な顔一つせず、おしゃべりに付き合ってくれた。

 いろいろな話をした。引っ越すことになった理由。家族のこと。悩みながら仕事をしている現状。地元の友達の名前がニュースに出ていたけど、同姓同名の別人だったこと。・・・真面目な話から、どうでもいい話まで、いろいろと話しているうちにすっかり暗くなっていて、気付いたら2時間が経っていた。

 心行くまで話せたことに満足して、俺は「楽しかったよ」と言っていた。小さいころからの遊び場であり、最も長い時間を一緒に過ごした、地元の中学校の前でKを下ろした。いつものように「またね」とも言ったけど、その「また」がいつ来るのかがわからないと気づいたら、ものすごく寂しくなってしまった。

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