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知って得する週間天気予報の傾向と使い方

週間天気予報は、傾向を知って上手く使えると便利です。適中率の低い時期に1週間先の「雨」予報を心配する必要はないですし、適中率の高い時期は1週間先の予報を信用して予定を立てることができます。

気象庁の天気予報検証結果のデータから週間天気予報の傾向を整理しましたので、その結果を紹介します。

※【要点】と【まとめ】を読めば本記事の結論(傾向と使い方)が分かります。

【要点】

天気予報の適中率には季節性があります。関東甲信地方の場合、1週間先の予報の適中率は、12月=82%、6月=56%と大きく異なり、冬は高く梅雨時期は低くなっています

適中率の季節性は地域により傾向が異なり、北海道の場合、12月=63%、6月=67%で、冬は低く、梅雨のない6月は並

雨予報の適中率は非雨予報(晴や曇等の雨が降らない予報)の適中率よりも10%程度低い(雨予報はやや外れやすい)。

⇒予報適中率の傾向を把握して上手く週間天気予報を使いましょう。

【気象庁の天気予報検証の説明】

気象庁はHPで天気予報検証結果を公表しています。気象庁は天気予報を検証する基準として「降水の有無」を使っています。ここで、降水とは雨、雪、みぞれ等のことですが、降水=雨として説明します。

例えば、予報が「曇」、「晴」で実況でも雨が降らなければ予報は「適中」、予報が「雨」で実況が「曇」、「晴」であれば「外れ」です。適中した日数÷観測日数=適中率となります。4月の予報で適中が24日であれば、適中率=24/30=80%です。

【1週間先の適中率と明日の適中率】

では、1週間先(7日先)の予報の適中率は何%くらいなのでしょうか、また、明日の予報の適中率に比べてどの程度下がるのでしょうか?

下表は、過去27年間の週間天気予報の平均値、最大値、最小値です(カッコ内は最大値、最小値の該当月)。7日先の平均適中率は67%で、予報期間が短くなるにつれて適中率が上がり明日の適中率は83%となっています。しかし、この値は季節及び地域により大きな差がありますし、適中率の内訳にも差があります。

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【適中率の内訳】

表の平均適中率ですが、実はこれを①降水有り予報の適中率と②降水無し予報の適中率に分けて計算したデータがあります。①と②では差が有り、①は平均値-5%、②は平均値+5%程度となっています。

つまり、1週間先の予報が「雨」の場合は平均より5%程度適中率が下がり、予報が「雨ではない=晴or曇」の場合は平均より5%程度適中率が上がります。雨が降って欲しくない場合には良い傾向です。

【地域性と季節性】

下表に各地域の週間天気予報7日目の月毎の平均適中率を示しました。

北海道地方は、季節性があまりなく適中率が全て60%代と低めです。

関東甲信地方の適中率は、冬は高く梅雨時期及び夏は低いという明確な傾向があります。東海地方、近畿地方もほぼ同様です。尚、冬は降水が少ないので適中率が高くなります。

北陸地方の適中率は、冬にやや高く梅雨時期に低い傾向です。関東甲信地方と比べると冬が低くなっています(降雪の影響)。

九州北部地方の適中率は、秋に高く梅雨に低い傾向です。

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【まとめ】

週間天気予報には地域や季節による傾向があります。7日目の予報が信用できそうか、3日目または4日目まで待った方がよいか、傾向を把握して使うことをお勧めします。

関東甲信地方は、梅雨時と夏の週間予報はあまり使えませんので前日や当日朝の天気予報で確認する必要がありますが、冬は7日目の予報でも高確率で適中します。春、秋も非雨予報であれば7日目の予報が使えそうです。東海地方、近畿地方もほぼ同様です。

北海道地方や北陸地方は、全般に適中率が低いので週間天気予報は7日目でなく3日目、4日目の予報を待った方が良いでしょう。

九州北部地方は、適中率がやや高い秋に週間天気予報を7日目から使えそうです。梅雨時期は関東甲信地方と同様に前日や当日朝の天気予報で確認しましょう。それ以外は、3日目、4日目の予報を待った方が良いでしょう。九州南部地方もほぼ同様です。

尚、週間天気予報の適中率は年々向上しています。表の値は、1992年から2019年の平均値であり、現在の適中率は表の値より3〜4%向上しています

※気象庁の天気予報検証は、「降水の有無」を基準に評価しています。しかし、旅行や野外行事等の場合は、晴れるかどうかも重要です。そこで、主に「曇」か「晴」かという基準も加えた週間天気予報の検証を個人で実施中です(下記の「週間天気予報検証(2)(3)」を参照下さい)。

※表のデータは、気象庁のHPから引用しています。表に未記載の地方のデータは気象庁のHPでご確認ください。

※本記事の提案内容は私個人の見解です。