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本当に月というものは追いかけてくる。 映画「月」2023 宮沢りえ 磯村勇斗 

相模原重度障害者の殺傷事件を用いた映画。

宮沢えり
磯村勇斗

意思の疎通ができない。
その人の世話をわたしはできない。

自分の身にふりかかった場合の本音。
わたしはは40で結婚した。
子作りはしない事に決めていた。
出生前判断を、わたしは、すると思うからだ。

産まれる前に殺す勇気をわたしは持てない。
最初から、避妊を決めてよかった。
94%か6%を選ぶ勇気がないからだった。

偶然
乙武くんの、涙の選挙演説を聞いた。
「出生前診断が無くなる事を願う」
責任を取りたくないわたしはほっとした。


生きている意味理由は、誰にもない。

存在。匂いと音と声と食べ物と排泄。

磯村勇人の演説と
宮沢りえの葛藤シーン。

「わたしはあなたを認めない」
宮沢りえはくりかえし、それしか言えない。

オダギリ・ジョーは小さな映画の
小さな賞をもらう。
世間的に、認められた。

宮沢りえもかつて、小説を、
世間的に、認められていた。

まだ世間的に認められない
二階堂ふみの地団駄。


磯村勇人の演説と
宮沢りえの葛藤シーン。

「わたしはあなたを認めない」
宮沢りえは繰り返しそれしか言えない。


極端な計画を意気揚々と語る磯村勇人。

「俺もひとかどな人間になれる」

世間的に非情な「認知」を得られる。

五体不満足、意思の疎通ができない事は
「存在」すら認められない。


わたしはひと様に迷惑をかけないようにと言われて育てられた。彼らはひと様の助けによって、生きていく。

でも次はみんな、世間的な承認まで、欲する。

意味を認める。認めない、になってゆく。

「しゃべれますか?」
この条件で、生死を判断していく磯村勇人。

でもあなたはろうわの彼女を
抱きしめて、意思の疎通をさけたよね。
しゃべらなかったよね。
しゃべれなかったよね。
ひどく言えば
都合のいい時にしか
意思疎通を交わせない彼女を選んだよね。


宮沢えりはオダギリに
報道をみた瞬間の
「あなたとしょういちが、好きです」
「わたしもあなたが好きです」

3人目は、もう、いらない?
決めた瞬間、でもあるのか。

わたしもいつか、 
「存在」だけになる。
老いれば、ひと様に面倒を見てもらう。

本当に月というものは追いかけてくる。

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