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死者への祈り 瞑想日記

ほんとうなら、あなたが生きたくて生きたくてしかたなかった明日を

わたしはどうやって生きるのかということを考えていた。

死は、悲しみではないという。目に見えぬ世界へ住処を移しても、わたしには聞こえるから。

けれど、あなたがこれから先に残すものが、残せなくなってしまった悔しさが募る。

あなたはもう諦めているけれど、わたしは悔しい。

あなたが死んだのは、春のあたたかい日。あなただけは冬眠から目覚めなかった。

だからわたしは春になると、いち早く種まきをしてあたたかい陽の光をあつめて、届けたくなる。

あなたの魂が寒くないように。また歌えるように。

どこからか煙草の匂いがする。煙草は嫌だと言ったじゃないか。薬もやめて。

あなたが書きたくて書けなかったものや、綴って歌えなかったもののかわりに。わたしは書こうと思う。

あなたが生きたくて生きたくてしかたなかった明日の続きを、書こうと思う。

その蝋燭の灯りを消さないで。それは魂に灯したものだから。

蝋燭を見つめるのは、自分の魂を見つめること。自分自身と対峙するため。

ねえほら、わたしが確実にここにいて、形として存在するってことを。燃える音を聞いて。静かに燃やす、芯の音を。

それは、あなたが生きたくて生きたくてしかたなかった明日を生きることができる、音。

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