読んだ本のメモ【2024.5】

 読んだ本のことを後からなんとなく思い出せるように、簡単にメモしておくことにしました。ネタバレ等はしないよう気をつけたつもり。


綾辻行人『水車館の殺人』

 本格ミステリー。(本格ってなんだろう?)
シリーズ1作目の『十角館の殺人』は約8年前に読んだきりで、少し懐かしい気持ちに。なんとなく怪しいと感じた部分に意識を向けていると、読みながら事件の容貌が少しづつ想像できるような気がして楽しかった。


アンディ・ウィアー『プロジェクト・ヘイル・メアリー』

 宇宙での旅を書いたSF。なんだか難しそうな第一印象を受けたものの、主人公が記憶のない状態から多くのことを科学で明らかにしていく様が気持ち良く、予想し難い展開が続くのでワクワクした気持ちで楽しめた。


伊岡瞬『奔流の海』

 2人の登場人物の視点が交互に進行していく青春小説。災害や虐待といった凄惨な描写が続いて読んでいて辛くなる場面が多かった。様々な不幸と向き合うことになるが、どのような世界で生きるのかは最終的には自分の捉え方次第なのかなと思わせる。


一穂ミチ『スモールワールズ』

 テイストの異なる6つの物語で構成された短篇集。最初は物語ごとの雰囲気の違いに戸惑ったけれど、読み終えるとどの篇からも不思議な満足感を得られた。特に4篇目の『花うた』がお気に入り。手紙のやり取りのみで構成された独特な形式を取っているものの、登場人物の心情を追いかけて揺さぶられることが心地よい。著者の他の作品も読みたいと思う。


一穂ミチ『うたかたモザイク』

 同じく一穂さんの短編集で、長さがまちまちの13の物語を味わえる。恋や愛を書いた物語もあれば、不気味で後味の悪い物語もあったり、自分がどう感じたのかよくわからない物語もあったり、不思議な感覚で読み終えた。色っぽいものもいくつかあって、それはちょっと苦手だな…と思ったけど、1冊で様々な世界を見られて面白かった。


白川尚史『ファラオの密室』

 古代エジプトが舞台のミステリー。一度死んでしまった主人公がミイラの状態で現世に戻り、自らの死の謎を解くというお話。(???)
世界観や章区切りページのデザインなど凝っていて、雰囲気だけでも十分楽しめたと思う。


辻村深月『かがみの孤城』

 学校にいけなくなった主人公が不思議な城に招待され、心境が変わっていくお話。物語から優しさをたくさん感じられて良いなと思う。


辻村深月『盲目的な恋と友情』

 恋愛とか人間関係の面倒くさい部分や気持ち悪さみたいなものを味わった。辻村さんの作品、こういうのもあるのか…


辻村深月『サクラ咲く』

 中学生・高校生が主人公の物語3編で構成される。若くて繊細な心に触れながらも、最初から最後まで明るく微笑ましい気持ちで読み続けることができた。気にかけているものが良い方向へと進むことの喜びを発見した気がする。


外山滋比古『思考の整理学』

 思考を深める方法について書いた本。読んでてなるほど~とは思うけど、特別何か印象に残るほどしっかり読めてないかも。何か身につけようと思って本を読むとハードル感じて疲れちゃうので、適当に読むくらいがちょうどいいのかなという気持ちになった。


中野信子『新版 科学がつきとめた「運のいい人」』

 運のいい人(上手くいく人)はどんな思考・行動のパターンを持っている?という内容が紹介されている。交えられている心理学・脳科学の実験結果など興味深いと感じた。また、最近自分は目的をもって生きられているのかな?と内省した。


夏川草介『本を守ろうとする猫の話』

 メッセージ性の強い小説。引きこもり高校生の主人公が言葉を話す猫との出会いをきっかけに成長していく。話の進み方はシンプルなので、本に関するメッセージ性をどのくらい受け止められるかによって楽しめるか変わってきそう。


水野一晴『京大地理学者、なにを調べに辺境へ? 世界の自然・文化の謎に迫る「実録・フィールドワーク」』

 地理学者の研究・フィールドワークでの経験が紹介されている本。細かい用語などあまり気にせずさっと目を通すくらいでも雰囲気を楽しめた。著者の指導する大学院生について話も多く、海外の村に学生1人だけ残って半年ほど滞在して研究を続ける、というような大変に見える内容がさらっと書いてあったりして「そんなことできるの!?」と思った。


森博嗣『アンチ整理術 Anti-Organizing Life』

 筆者の考える整理・整理術について書かれた本。いろいろ書いてあるが読んでて心地よかったので、ふわふわ~と読み進めた。特に最後の章はなんだか希望を持てるような内容で読んで良かったと感じる。僕も著者のように素直に生き続けられたらいいな。


米澤穂信『冬期限定ボンボンショコラ事件』

 春期限定~秋期限定と続いていた青春ミステリー、小市民シリーズの完結作らしい。独特な後味の悪さがやっぱり魅力的。シリーズ通して変化していく小鳩くん・小山内さんの関係を思い返すと、最後の終わり方は単純にいいな~と思った。

 シリーズの春期、夏期が今度アニメ化されるらしく、内容もしっかりと覚えているわけではないので興味はあるけれど、映像で見ちゃっても大丈夫なのかな?みたいな気持ちはある。(結局見ないんだろうな)


米澤穂信『巴里マカロンの謎』

 上記の小市民シリーズの短編集。刊行されてたのを単純に見逃してたので本屋で見かけて気づけて良かった。長編と比べて事件はあっさりしてると感じるけれど、これはこれで気軽に読みやすいのは良いかな。小山内さんと一緒に甘いものを食べる場面が好きなので、たくさん読めていいなと思う。


米澤穂信『ボトルネック』

 パラレルワールドを舞台にしたSF青春ミステリーみたいな感じ。グサグサと刺されるようなショッキングな展開続きで途中で止まれなかった。主人公と自分自身を重ね合わせながら読み進めていったが、今の自分ならこのような境遇を乗り越えられるのかな?といったことを考える。


終わりに

 僕は普段は読み終わった本をブックカバーをかけたまま押し入れにしまっちゃうことが多く、そのまま興味を失って見返したりはあまりしない。それでも、この記録を後から見返すと本棚に読んだ本を綺麗に並べるような嬉しさがあった。
 来月から生活習慣が変わるので、おそらく今月と同等の量は読めないのかな?とは思うけれど、心が満たされるくらいには本を読む時間を取れたらいいな。

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