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1998とても気になる作家たち21 03

「くろけんのミステリ博物館」来館者10万人突破記念企画。
1998年12月現在、僕がもっとも気になっている作家(必ずしも好きな作家――というわけではない)21人をセレクトし、作家ごとにベスト作品を紹介。

折原一
1.沈黙の教室
2.異人たちの館
3.倒錯のロンド
4.冤罪者
5.ファンレター

★「倒錯のロンド」で衝撃を受け――でもその衝撃があまりにも大きすぎたのか、それ以降はなかなかパッとする作品に出会えず、ぶーぶー文句をたれながらも、ずっと追いつづけている作家の一人です。ときどき「沈黙の教室」のような傑作を書くから、油断ならないんですよね。一部の人に絶大な人気を誇る黒星警部シリーズは、あんまり好きになれないんだけど……。
★パッと頭に思い浮かんだのが上記の5作品。とんでもない駄作ってことで、「遭難者」もすぐに思い出したけど(笑)。折原さんの場合、似たような設定の話が多いんで、どれがどの話だったか、結構混乱しちゃってるんですよね。タイトル見ただけじゃ、なかなか内容が思い出せない……。

北川歩実
1.僕を殺した女
2.金のゆりかご
3.猿の証言
4.硝子のドレス
5.模造人格

★新潮ミステリー倶楽部から突如デビューした謎の作家。デビュー作はどことなく井上夢人的な雰囲気を漂わせ、しかも解明を期待していなかった謎にまで、納得行く説明がつけられていて、ひさびさに興奮したのを覚えています。まだ上記5作品しか出版されていないわけですが、どれも傑作ですよね。
★こうやって5作品を並べてみると、どれも皆扱っている題材、テーマが違っていて、この作家の器の大きさを思い知らされますね。これからまたどのような世界を見せてくれるのか、非常に楽しみであります。

北村薫
1.ターン
2.スキップ
3.夜の蝉
4.空飛ぶ馬
5.水に眠る

★北村薫のシリーズものは大きく分けて3つ――「時と人」「私と円紫」「覆面作家」とあるわけですが、僕を一気に北村フリークに変えてしまったのは、やはり「時と人」シリーズですね。「リセット」の完成が待ち遠しいです。「私と円紫」シリーズは「六の宮の姫君」が未読。このシリーズは作品によって当たりはずれが大きいような……まあ、あくまで僕の個人的感想ですけどね。
★というわけで、ベスト1は「ターン」。これはもう文句なし! 5位にノンシリーズの短編集「水に眠る」を入れました。こーゆー世界、好きだなぁ。……でも一度、北村さんのバリバリ本格な推理小説を読んでみたい。

※相変わらず、生意気なことを書き綴っていてホント恥ずかしい……すみません。北村薫さんのバリバリな本格作品『盤上の敵』が発売されるのは翌年ですね。

 

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