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排尿との戦い

2006年8月1日(火)

地球を旅立ってから、丸一日が経過しました、
腰が痛くなったり、全身がだるかったり、と決してパーフェクトな体調とはいえませんが、いまのところは順調に宇宙旅行を続けております。

今日はおしっこのお話。
ずっとベッドに寝転がっていると、当然、トイレへ行くことなどできません。そこで、う×こにはにおい消しの砂が敷かれたオマル、おしっこには安楽尿器と呼ばれるもの(写真参照)を使います。

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ベッドに寝転がってから約3時間が経過した頃、初めての尿意がやって来ました。
説明書どおりにベッドの上で横になり、レシーバーと呼ばれるゴム製部分を陰部の根もとにぴったりと装着。これで準備OK。あとはおしっこを放出するだけなんですが……。あれ? あれれ?

出ない……(涙)

尿道の先端までは確かにやって来るものの、そこから先へどうしても進んでくれません。
車の中でどうしてもおしっこがしたくなって、空のペットボトルへ出そうとしたのに、いくら力んでも放尿できなかった――そんな昔の体験を、ふと思い出しました。それまでは漏れる寸前だったのに、実に不思議な話です。人間の身体ってのは、常識に反することを行なおうとすると、ストッパー機能のようなものが働くようにできてるんでしょーか?

とにかく、いくら力んでもおしっこは出てくれません。
1日早く地球を旅立った先輩宇宙飛行士のCさん、Nさんにアドバイスを求めたところ、「相当力まないとダメ」とのこと。早速、いわれたとおりにしてみました。

おしっこというよりも、う×こをするときの感覚で力んでみると……お、なんとかなるかも。しかし、そこで油断して呼吸をしてしまうと、力が緩んでまたおしっこは引っ込んでしまいます。

最初に大きく息を吸い込み、あとは呼吸を止めたまま、腹筋に力を入れ続けること数十秒。
「う……ふむ……ふむむむむ……くわあああああっ!」
チョロッとおしっこが出ました。しかし、まだまだ油断は禁物。ちょっとでも力を緩めれば、おしっこは止まってしまいます。
「はああっ! ふむ……むむむむ……ほわああああっ!」
その力み具合は、まるでカメハメ波でも出しそうな勢い。いえ、出るのはおしっこだけなんですけどね。

なんとか、すべてのおしっこを出し切ったときには、腹筋がピクピクしていました。力を入れすぎたために、脚もつりそう。「ぜいぜいはあはあ」と息切れが激しく、しばらく動くことができなかった僕なのでありました。


▼当時のコメント

がくちゃん

「小」はまだ想像つくのですが、「大」は??
興味津々。
期待してます!(なにを?)
くろけん

「大」はすごいですよお。人間、生きるためなら何でもできるとわかりました。もう僕に「恥じらい」なんてものはありません(笑)。

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