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1998とても気になる作家たち21 01

「くろけんのミステリ博物館」来館者10万人突破記念企画。
1998年12月現在、僕がもっとも気になっている作家(必ずしも好きな作家――というわけではない)21人をセレクトし、作家ごとにベスト作品を紹介。

 1998年12月現在、「新刊が出たら必ず買って、なにをおいてもすぐに読む!」という非常に気になる作家21人(好きな作家ではなく、気になる作家であるところがポイント(笑))をセレクトしてみました。このコーナーでは各々の作家について熱く語り、さらに作家ごとのベスト5など挙げてみたいと思います。

 ベスト5を挙げる都合上、5冊以上本を出していない(あるいは僕が読んでいない)作家は省いております。馳星周とか貴志祐介とか、あるいは最近デビューされた新本格系の方々とか、気になる作家はまだまだたくさんいるんですけどね。

 ……不思議なことに、こうやって20人挙げてみると、決して全員が好きな作家なわけではないんですよね。なかにはいつもボロクソにけなしている作家の方もちらりと見受けられます(笑)。いつもけなしているのに、新刊が出たらきっと買っちゃうんだろうなぁ。うーーん、実に不思議。

「あれ? どうしてあの作家が入ってないの?」と思われる方もいると思いますが、たとえば京極夏彦だと――あの厚さに根負けして、最近はすぐに読もうという気が起こらないんですよね。だから今回はパス(笑)。 

 ではではあいうえお順にてご紹介。どぞ!

浅田次郎
1.天国までの百マイル
2.プリズンホテル秋
3.鉄道員(ぽっぽや)
4.地下鉄(メトロ)に乗って
5.蒼穹の昴

★去年(1997年)、友人の薦めで「プリズンホテル」を読み、それでズッポリ浅田ワールドにはまってしまいました。ほかに挙げた作家さんとはちょっと毛色が異なっておりまして、ミステリ作家とはいえませんけど、ま、気に入ってしまったものは仕方ない。名古屋の星野書店でサインしてもらった「鉄道員」は僕の宝物のひとつ。人のよさそうなあの笑顔がたまらなく好きです。
★さて、ベスト1に選んだのはつい先日読み終えたばかりの「天国までの百マイル」。読んだばかりということで興奮して1位にしちゃいましたけど、時間が経てば、また順位も変わってくるかもしれません。「きんぴか」とか「プリズンホテル」系の作品も、また書いてほしいもんですな。

我孫子武丸
1.探偵映画
2.殺戮にいたる病
3.0の殺人
4.腐蝕の街
5.小説たけまる増刊号

★デビュー作「8の殺人」がイマイチだったんで(先に東野圭吾の某作品を読んでしまったことも原因か)、しばらくは遠ざかっていたんだけど、文庫に落ちた「探偵映画」を読んで、「お、面白れえ!」――それからは我孫子作品を一気に読んでしまいました。本は読まなくても、「かまいたちの夜」を知っている人はいっぱいいるわけで、本好きじゃない友人にも紹介しやすい作家の一人ですよね。
★ベスト1はもちろん「探偵映画」。この構成、この真相――とても気に入ってます。最近連載が再開された「人形シリーズ」はあんまり僕好みではないんだよなぁ。あ、「腐蝕の街」の続編も早く読みたい。

天樹征丸
1.金田一少年の事件簿2~幽霊客船殺人事件
2.金田一少年の事件簿4~鬼火島殺人事件
3.金田一少年の事件簿3~電脳山荘殺人事件
4.金田一少年の事件簿~上海魚人伝説殺人事件
5.金田一少年の事件簿1~オペラ座館・新たなる殺人

★わははははは。この人の本も、ま、出れば必ず買うわけだから書いておかないとね。ベスト5の作品を見てわかるとおり、漫画「金田一少年の事件簿」の原作者です。小説版はこれまでに6冊出てますな。「金田一少年」シリーズ以外に本は書いてないと思うけど……でもシリーズ以外のミステリも読んでみたい気がする。正体不明。実は著名な作家さんなのかも。
★とにかく6冊しかないんで、ベスト5とはいっても、ホントに面白かったのは上位3作品だけ。あとは「うーーん」と首をひねるしかないなぁ。でもベスト1に選んだ「幽霊客船殺人事件」はその年のマイ・ベスト15に選んだほどのお気に入り作品。「たかが漫画だろう……」と思っている方、騙されたと思って1度読んでみてください。……この話のアニメ版はどうしようもない出来だったけどね。

※そっか。この頃はまだ、天樹征丸さんは覆面作家だったんですね。皆さんご存知のとおり、天樹征丸さんの正体は当時まだ講談社の編集者だった樹林伸さんです。


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