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今年ナゾトキにハマった新参者です

 こちらは、いつもTwitterのナゾトキでお世話になっているすーさん(@su_san4221)が企画された「あなたは謎が好きですか?Advent Calendar 2020」への寄稿文であります。

 根っからのオタク気質

 スポーツ観戦にはほとんど興味がないし、流行りのテレビドラマやお笑いもよくわからない。
 みんなが面白いと思うことにさほど興味を示せず、たいていのことには無関心を貫いてしまう僕ですが、それでもごくたまに突然、なんの前触れもなく《好き‼》のスイッチが入ってしまうことがあります。
 しかも、いったん好きになると、とことんまでのめり込んでしまうオタク体質。
 これがなかなかに厄介でして……程よく楽しむというレベルを超え、どうせやるなら極限まで楽しみたいと思っちゃうタチなんですよね。
 結果、時間もお金も大量に消費する羽目に。
 もはや病気みたいなものだとあきらめています。

 齢50を越え、さすがにもう新しいなにかに夢中になることはないだろうと思っていたのですが、今年、ひさしぶりに新たな病気にかかってしまいました。

 それがナゾトキです。

 きっかけは新型コロナ

 実は僕、7年ほど前からチームしゃちほこ(現・TEAM SHACHI)というアイドルグループにハマってまして、ほぼ毎週末、彼女たちのイベントを追いかけて日本全国を忙しく駆け回っておりました。

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TEAM SHACHI

 しかし、2020年春――新型コロナ感染拡大防止のため、突然の緊急事態宣言。

 イベントはすべて中止となり、僕は時間を持て余すことに。

 TEAM SHACHIは昨年(2019年)から、リアル脱出ゲームでおなじみのSCRAPと仕事で絡む機会が増え、SCRAPの全面協力のもと「柚姫の部屋」というYouTube番組を配信しております。
 「柚姫の部屋」でSCRAP主催の「謎解き能力検定」が紹介されたのは、まさに緊急事態宣言のさなかでした。
 TEAM SHACHIのメンバーと一緒に「謎検」を受けよう! という番組の企画に興味を持ち、受験するならちょっとは勉強しておかなくちゃと思って、発売されたばかりの『謎検 対策問題集2020』を買ったことがすべての始まりだったのです。

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これが運命の1冊

 ……お、面白え!

 僕はこの黄色い本に釘付けとなりました。

 『頭の体操』との出会い

 職業がミステリ作家なのだから、当たり前といえば当たり前なのですが、もともとナゾトキは好きでした。

 我が家の本棚には多湖輝さんのベストセラー作品『頭の体操』シリーズ全23集がずらりと並んでいます。

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『頭の体操』シリーズ

 第1集の発行は1966年。
 僕の生まれる前です。
 もしかしたら、本格的なナゾトキ本の元祖なのではないでしょうか?(違ってたらすみません。テキトーなこと書いてます)

 父親が持っていたこの本を、当時小学生だった僕は夢中になって読みました。

 これまでにもいろいろなところで述べてきましたが、僕が本格ミステリ小説を好きになったきっかけは、この『頭の体操』です。
 ひと筋縄では解けない巧妙な騙しのテクニックにベタ惚れしました。
 何度も何度も『頭の体操』第1集を読み直し、ついにはそれだけでは我慢できなくなり、なけなしの小遣いで第2集以降も買いそろえました。

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 第1集だけがやけに古びているのは、そういう理由からです。

 この本と出会っていなければ、おそらくミステリ作家にはなっていなかったと思います。
 『頭の体操』は僕の人生を変えたバイブルです。

 そしてナゾ中毒者に…… 

 『謎検 対策問題集2020』を解いていると、あのころの興奮が一気によみがえってきました。
 緊急事態宣言で外出できませんから、時間はいくらでもあります。
 過去の『謎検』関連本もすべて購入し、片っ端からナゾを解きまくる日が続きました。

 前述したとおり、いったん好きになるととことんまでのめり込んでしまう厄介な性格です。
 『謎検』をすべて解き終えてしまった僕は、ナゾを解かないと落ち着かない中毒者になっていました。
 「ナゾ……ナゾをよこせ……」と血走った目でネットを徘徊。ついに、ナゾの宝庫を見つけました。

 Twitterです。

 以前からTwitterはやっていましたが、魅力的なナゾがこんなにもたくさんちらばっているなんて、それまでまったく気づいていませんでした。
 無料で閲覧できて、しかもどれもレベルが高い。
 Twitterナゾの虜になるまで、たいした時間はかかりませんでした。

 星の数ほどあるナゾトキアカウントの中で、とくに気に入っているのがうりよしきば(@KJRY0)さんの #ぬえなぞ と、そして今回この文章を書くきっかけとなったすーさん(@su_san4221)の #ゆる謎 でした。
 どちらもほぼ毎日出題されるため、今ではご飯を食べたり、眠ったりするみたいに、絶対に必要な生活の一部となっています。

 我々の生活を百八十度変えてしまった憎き新型コロナですが、このような目に遭わなければ、ここまでナゾトキにはハマっていなかったわけで……人生ってホント、なにが起こるかわかりませんよね。 

 ナゾトキの魅力とは

 本格ミステリ小説が大好きです。
 ナゾトキに似ている気もしますが……うーん、ちょっと違うかな。
 本格ミステリもナゾトキ同様、作中のナゾが次第に解かれているわけですが、ナゾを解くのはあくまで探偵。
 読者が先にナゾを解いてしまっては面白さが半減してしまうんですよね。
 気持ちよく騙されたい。
 そういう意味ではマジックに似ているのかもしれません。
 ナゾは難しければ難しいほどワクワクします。
 そして、真相がわかったあとは、「どうしてあの手がかりに気づけなかったんだ!」と地団駄踏んで悔しがりたい。
 それが本格ミステリなんです。

 でも、ナゾトキは違います。
 解けなければ悔しい。
 ひらめいたときのあの快感がたまりません。
 だから、あまりにも難易度が高いナゾはダメ。
 逆に、あっさり解けるナゾでも、ナゾを解いたあとに見えてくるものが美しければ全然満足できます。
 美しいナゾはホント、心に沁みますよね。
 本格ミステリは小説ですが、ナゾトキは俳句や短歌に近いものなのかもしれません。

 どんなゲームも、たいていは初心者よりは経験者が、子供よりは大人が有利だったりします。
 でも、ナゾトキは違う。
 年齢も性別も学歴も無関係。
 老若男女、みんな公平。
 ハンディキャップなんて必要ありません。

 再び、新型コロナが猛威をふるい始めました。
 せっかくの年末年始なのに、外出する機会は極端に減りそうです。
 家族にもなかなか会えません。
 こんなときこそ、モニター越しにみんなでナゾトキなんてどうでしょう?
 この世にナゾが存在する限り、きっと世界は平和だと思います。
  
 

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