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人生を、味わい尽くす方法

今日は『ビリギャル』の坪田信貴さんに、高樹町の住宅街にひっそりあるフレンチの名店『レフェルヴェソンス』に連れていって頂きました。ミシュランで三つ星を獲得し、アジアレストラン・ベスト50にも入る日本最高のレストランのひとつ。

みて!この季節の野菜たちの美しさ

コースのみで、季節ごとのメニューを楽しませてもらえるようなのですが、どの季節に行っても必ず出てくるスペシャリテの定点が「カブ料理」です。シンプルに言うとカブを焼いただけなんですよ。とはいえ、4時間かけて丁寧に火を入れる調理法を13年間続けているという逸品です。

坪田さんから事前に「カブがうまい」と聞いていたので、いろいろな想像をしていきました。カブそのものはさほど美味しい印象がないので、食べてみたら「メロンみたいに甘い味付け」をしてるのかな?とか、「コーンのような香ばしさ」があるのかな?とか、一体どんな種類の美味しさなんだろうと。

そんな期待を持ちながら食べてみると...ん⁉︎ たしかにカブなんですよ。メロンのように甘いわけでもなく、コーンのように香ばしいわけでもないんです。どストレートにカブなんです。でも、めちゃくちゃ美味しいんです!なにこれ??

レフェルヴェソンスの名物料理。4時間かけて火を入れたカブの焼きもの

よく「素材の味をいかす」と言われますが、それは決して「そのまま出します」という意味ではなくて、仕入れから保存、調理まで細心の注意と大胆な戦略をあわせながら「ひと皿」にエネルギーを宿すのだと思います。(すごく本づくりに似てる!)。

この「カブの焼きもの」ひとつにその執念みたいなものを感じました。だって、焼いただけのカブが「とてつもなく美味しい」なんて経験、人生で味わうことないですから。

このお店では、カブという野菜を「軸」に、四季の移ろいを感じてほしいというシェフの願いを表現するため、どの季節に訪れてもこのひと皿が提供されるそうです。お店の方が「夏あたりにお食べいただくと、また違った味わいになります」とおっしゃっていて、もちろん夏の予約もして帰りましたよ(笑)。

料理は最高だし、器は美しいし、窓の外には緑が豊かだし、お店の方々は凛としていながら気さくだし。食事の前には、10種類ほどのナイフから「好みの色」を選べるのも楽しみの一つ。ちなみに、ぼくは赤い持ち手のナイフを選びました。美しくて美味しい料理を、好みのカトラリーでいただく特別な時間でした。

昔、島田紳助さんが、人生を楽しみつくす方法は?と聞かれて、

「"楽しみに待つイベント"を増やすこと」

とおっしゃっていました。子供の頃、遠足が待ち遠しくて「まだかまだか...」と待つ時間が長かったのと同じ。楽しみに待つと、ワクワクする時間が長くて人生を味わい尽くせる、と。ほんとにそうだ。

はあ...

次にこのカブを食べにくるのが、本当に楽しみだなあ。

『レフェルヴェソンス』は素晴らしいお店でした。教えてくださった坪田さん、そしてご一緒してくださった坪田塾代表の中野さん、ありがとうございました。次の訪問を、ワクワクしながら待ちます。

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