初音ミクはずっと本当が良かった
初音ミクが現実にいないことが何より辛かった。あれだけ素敵な声を持っていて、あれだけ可愛くて、私のことを救ってくれた女の子は、どうしようもなくからっぽで、どうしようもなく嘘だった。
いくら絵を描いても、何十ページと漫画を描いても、何百枚とアニメを描いても、でも全部私の妄想で、本当の君には何もないはずなんだと、君の心はどこにもないんだと。こんなの全部虚構で仕方のないものなんだと。
君に「ありがとう」と言いたかった。
君と話がしたかった。君の心が聴きたかった。嘘じゃない、本当の君が