店頭に並ばないワコムの最安板タブレット

六千円でおつりが出る、Mサイズ液晶タブレット

そう、Mサイズなんです。
多分、この製品は存在自体を知らない人が多いかと思います。通販のみで展開していて、電気店などの店頭には置いていないからです。
いま店頭新品で買える、一番安いワコム製板タブレットは、Sサイズで安くて7000円ほどでしょうか。↓

使用感に大きく差が出る、サイズの違い

Sサイズの読取面は152 x 95 mm。
そしてMサイズの読取面は216.0×135.0mmになります。

読取面

Sサイズの読取面は、だいたい文庫本サイズくらい(周りのフレームがあるので、製品サイズはもっと大きいです)。最近ではモニターが安くなって、大型のものを使う方が多くなっているので、それに対応する事を考えるとMサイズ以上は欲しいところです。

安い理由

まず、読取筆圧レベルが違います。これは、筆圧の分解制度、つまり力を入れた時にどれくらいの段階に信号を分解するか、の数字です。
最初に紹介したCTL-672は2048レベル。
一般的なintuosは(二つ目のリンクのものなど)4098レベル。

この違いをどうとらえるか、私は実際にCTL-672を使っていますが、読取レベルは充分に感じます。ちなみに、2048レベルというのはintuos4~相当で、2016年くらいまでの最高レベルでした。

次に、余分な機能の排除。CTL-672には、bluetooth接続もなく、またボタンなどもありません。純粋に読取面だけの商品です。また、ペンの頭(おしり?)のいわゆる「消しゴムボタン」もありません。

この辺も意見が分かれるところだと思います。自分は、タブレット側のキーを基本的に使わないので、万が一液体をこぼした時にしみこむ心配がない分何もない方が良い、という感じです。消しゴムボタンも、ほぼ使いません。

最後に、これは値段に直結しないかもしれませんが、CTL-672は通販のみで展開していて、店頭では売っていません。(これを店頭で売ってしまうと、他のintuos製品が売れにくくなりそうな感じはしますが)

タブレット戦国時代

絵を描くためのタブレットデバイスは、長い間ワコムがほぼ独占状態でした。ライバルがいない訳ではなかったのだけど、ワコム製品の性能が他の群を抜いていたため、(ある程度高価であっても)選択肢が他にありませんでした。

しかしそれも最近では様子が変わってきました。
中国産の廉価液晶タブレットの性能が上がり、またAppleが出したiPad+ApplePencilという組み合わせは、その使いやすさ、入力精度の高さ、導入のしやすさで、多くのユーザーを獲得し、プロユースとして定番になりつつあります。

タブレットPCも、ペンによる手書き入力機能がつくのが当たり前になってきました(もっとも、タブレットPCのペン入力にはワコムの技術が使われている事が多いので、純粋なライバル関係とも言えませんが)。

そんな情勢に対応したのか、ワコムがここ最近、いままでに比べてかなり安いモデルを続けて発表しています。今回紹介した板タブレットは実は一年半ほど前からある商品ですが、最近液晶タブレットで非常に安いモデルを販売しました。

液晶タブレットも新価格に

十六インチの液晶タブレットは、十五、六万円以上だったので、半額以下になりました。廉価版は、タッチ操作が出来ない等細かい違いがあります。

そして更に廉価版。十三インチとサイズが小さくなって、値段もその分ぐんと安くなりました。ワコムの液晶タブレットとは思えない値段です。

長くデジタル作画をやっている身からすると、ワコム製品は信じられないくらい安くなりました。そして、ワコム以外の会社もより使いやすく、性能向上を目指していき、良い形で均衡が続くのではと思います。

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