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真野陽太朗自選20首②

この先を駆けてみたくて名を決めた遠慮は捨てた中身は同じ

いつかとは違う天井眺めてる作ってみたいものがたくさん

流れ星投げてみたくて石探すイニング数は限られている

シュワシュワのお酒に浮かぶ三日月と槌目(つちめ)模様のグラスがひかる

飲みさしで廃棄されても恨まないタピオカのよう求められたい

東から西の順番悲しみは朝日に溶ける信じて欲しい

今日あった良いこと全て横たえるどれも愛しく笑みがこぼれる

ひとんちの芝生はあおいだがしかしうちの芝生は年中あおい

本当に7月ですかそうですか継ぎ目見えない変わり目でした

夏の夜本と向き合う部屋の中ちかくに祭りにぎわいの声

息を飲む見たくなかったごめんの字既読にしたら君は楽かな

神さまは見てはいませんひとりごち暗がりのなか両の手を組む

次々と次々と行く先々であめ水たまりに円を描く

君が泣くわけがあるでしょ譲れない譲りたくないもの守るため

自分よりさみしい人を探してる見つけて何がみたされるんだ

許すって言って欲しくて別の人にやさしく接すそんな日々だよ

ゆるすものゆるせないもの交じり合う境界線を少し広げる

体重を預ける先を探してた自分の足で立たなきゃだよね

ひとつでも多くピリオドをうつことそれがこれからやりたいことだ

バラバラの細い気持ちをあたためるだんだん柔く赤がさしてく


大変ありがとうございます。