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真野陽太朗自選20首④

フィクションを意思の力を信じてるそうしたかった結末を見て

流星が地表にさしたアミノ酸最初の生命の種がまかれる

「お先ですサンタ業務がありまして」明るい声のサンタさん達

明日から新年度だよ一歩前明るい日々がひらける未来

カタンって郵便受けに本が落ち遠ざかってく駆け足の音

一か月たったらきっとまた会おう日本中でされた約束

一回の買い物だけで何日を過ごせるだろうそういうゲーム

塀の上自在に歩く猫だけが僕の愚行を咎めてくれる

比喩じゃない感情を出すむき出しにしたい気持ちの荒々しさを

「反社」とは定義しづらいものとして次は「丁寧」「丁寧」を問う

かたいからたべのこされるキャラクター エビフライのしっぽに生まれ

鳴らないで取りたくなくてよく通る声だけ残る恋の相談

向けられた無邪気な笑みを見てたくて愛のかたちをザリと飲み込む

風鈴の音色みたいによく通るなにも捨てない声で鳴きたい

さみしさで目覚めた朝に花は咲きほんの数日私によりそう

水滴を含んでしまい遠くには飛んでいけない音色みたいだ

離れてくあなたの足を止めたくてごめんなさいと肩を震わす

わたしの手ふれるための手ささえる手もちこたえる手さしだしたい手

いつだって一番若いのは今日で諦めるにはまだ早すぎる

さみしいと言葉にするとまぎれるとだれもおしえてくれなかったよ




大変ありがとうございます。