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本当の自分 きっと何度も道に迷って勘違いをして少しずつ近づく

第3弾のnote。予定では12月5日に重い想いを投稿するつもりだった。
でも今回長濱ねるさんのエッセイ集「たゆたう」を読んでこれは今思っていることを熱いうちに何か言わなきゃと強く強く思い書き始めた。僕がいる界隈では今Casa BRUTUSでティザー映像がどんどん公開されたりうちの弁護士は手がかかるで出演者が発表されたりでみんな大盛りだ。あるいは鈴本さん×佐藤さんのコンビでイギリス・スイス旅行に行っていることに盛り上がっている。そんな楽しくて嬉しくてワクワクが止まらない雰囲気の中このたゆたうを読んだ。色んなことに絶望したり笑ったり温かい気持ちになったり考えさせられたり新しい発見があったり希望が見えたり絶望した。これはあのドキュメンタリー映画か。
このたゆたうという本は長濱さんが「ダ・ヴィンチ」で連載しているエッセイを選出したものや対談など既に公開されているものが大半を占めていて今回のために書き下ろされたエッセイやインタビューや対談が数作あるといった感じだ。なので長濱さんを特別に推している人からしたら知ってる内容が9割だろうけど僕のようにSNSや地上波のドラマやバラエティは見るレベルの浅い人からすればほぼ知らないことだらけだ。そんな僕が今回読んで思ったことを雑に綴る。まとめとか何か言いたい大きなテーマとかそんなものは無いけどとにかく雑に思ったことを綴る。こっからはネタバレがあるのでまだ楽しみにしている人はここで閉じてください。

大事なことなのでもう一度言うけどこっからはネタバレがあります。それでも読んでネタバレに文句言ってくる人には口にタガメをぶっこんで黙らせようかな。



まず「はじめに」の章を軽く読んだだけであぁ、これは重い内容の本だなと思った。良く言えば長濱さんが本当は人に見られたくない心の内側をさらけ出してくれている。悪く言えばふらっと気軽には読めずその本当は見られたくない心の内側をこっちも本気で受け止める気が無いと読めない。例えばこの章で長濱さんは自分のことをどういう人間なのかを難しい言葉を使わず具体的なエピソードで説明している。

・旅行に行くが計画の段階から行ったことがある場所だと知ってたけど冷めるのが嫌で言えない
・エゴサをする
・仕事や生きることをリタイアしたくなる
・そしてそれをいつも考えている
・でも周りから繊細な人だと思われたくないので社交的に振る舞い、明るい人だと認識されるとそれに落ち込む
・落ち込むと本当に些細なことでも涙が出る

全部で230ページを超える内のまだ5ページくらいである。この感覚はドキュメンタリー映画の冒頭で東京ドームの始まる前の裏側を見たあれに近い。これだけでどのような本なのか想像出来る人も多いのではないだろうか。


その「はじまり」の章が終わると本編だ。過去のエッセイ集や対談や書き下ろされたエッセイが始まる。さっきまで散々重いことを言ってきたけどここからは笑えたり人の温もりに触れるエピソードも沢山出てくる。
また長濱さんを追っている人からしたらウソ婚の八重と重なる部分を感じたり舞いあがれ!を思い出して面白いのではないだろうか。むっちゃんも出てくるし笑。あとこれは自分だけなのだろうけど、かけがえのない世界の「出しっぱなしの水道の水、蛇口止めるのを忘れてた」の解釈が変わった。この本を読むまでは「出した水を止めるのを忘れてしまうくらい深い悲しみに襲われて立ち尽くしてた」と解釈してたんだけどもっとシンプルに「溢れ出した涙が止まらない」なのかもしれない。もしそうなのだとしたら俺の読解力は浅い。浅すぎる。魚の掴み取りで水面に触るだけの渡辺さんくらい浅いのかもしれない。
優しい人に出会ったらその人が絶対に報われてほしいとか友人と遊んだエピソードとか富士山をサイクリングしたエピソードとかおばあちゃんと歌舞伎を見たエピソードなどほっこりするエピソードの多くは他人が関わっている。転校初日に授業で爆睡したエピソードみたいにたまに例外もあるけど笑。明るいエピソードを語る時に人との関わりが出てくるのが長濱さんの好きな所だなと思った。たぶん僕ならゲームが強くなったとか仕事で上手くいったとか推しのイベントに参加したとかそういう自分だけのことを話すからだ。


しかしやはり印象に残るのは暗いエピソードの方だ。この本では何度も何度も長濱さんが涙を流す描写がある。芸能人とはいえ結局は僕らと同じ人である。そんなことはみんな分かりきっている。分かっているけど分かってなかったりするのかもしれない。都会は疲れる、仕事は疲れる、SNSで悪く言われる、自分を愛せない、発言の一部だけを切り抜かれネットニュースになるみたいなエピソードが沢山ある。またはエピソード自体は明るいものなんだけどでもその背景には疲弊しきってしまってるが故にみたいなものもある。僕らと同じだ。同じだけどどこかそれが有名税という名で当たり前みたいな感覚に陥ってしまうことがある。それに対して西加奈子さんの「その税金高すぎるだろ!」はごもっともである。
また、同じ日に沢山の人の温もりに触れたエピソードがある。これだけ読めば明るいエピソードのように思える。実際は仕事前に自転車での自損事故で足を怪我するが沢山の人に助けられて無事にその日と次の日の仕事を終え結局怪我も大したことなかったというエピソードだ。具体的にどのように助けられたか。まず長濱さんは病院で足にギプスを巻きそしてマネージャーに状況を電話で報告する。マネージャーは各所に確認を取る。これだけで大変である。また次の日はファッション誌の仕事である。片足にギプスを巻いているのにだ。しかもそのファッション誌とは初めての仕事らしい。撮影現場ではギプスが目立たないような衣装やポージングを選んでもらい撮影した。これら一連の流れを読みもし自分だったらと思うと共感性羞恥が破裂しそうだった。何も悪いことはしてないたまたま怪我したくらいで最悪仕事が飛ぶかもしれないなんて考えると本当に大変な仕事である。長濱さんに限らずそんなプレッシャーを抱えて仕事をしていると思うともうどうしようもなくただただありがとうという言葉しか出てこない。
そしてこの本の最後には長濱さんからの謝罪がある。あのSHOWROOMでの件での謝罪だ。何故今になっての謝罪なのか、炎上後にどういうことがあったのか、今もあの件が影響を及ぼしていること、そもそも論自分が悪いということが赤裸々に綴られている。この章のことをこのnoteに書いて良いのか正直迷った。書くことそのものが長濱さんを傷つけるのではないか、あるいはもう忘れてた人が思い出しまた再び残念なことが起こるのではないのかと。でもこれに触れないのもそれはそれでせっかく勇気を出し6年越しに気持ちをさらけ出してくれた大切なことに向き合ってないことになりそれはなんか違うのでは?と思い書く。この章を読むと何とも言えない虚無感に襲われる。僕は別に長濱さんの起こしてしまったことを擁護するつもりはないし怒る人に理解する気持ちもあるけど、だからといって例えば今現在全く関係無い「新ドラマ、長濱ねる出演決定!」みたいなお知らせにわざわざSHOWROOMの件をコメントで書き込むのは絶対に違うと思う。どんなに悔やんで反省し解決した問題でも一度出たネットの映像や記事というのはずっと残りずっと言い続ける人がいるだろう。そのようなものを背負い続けなければならないのは残念だしそれでも仕事を辞めることなく僕たちに作品を届けてくれることにただただありがとうでしかない。先程と似た文になるが、それは長濱さんに限らず今後もそのようなリスクを背負い仕事をしてくれているみんなにただただありがとうの気持ちだ。どうかあの時傷ついた沢山の人に今の長濱さんの謝罪の気持ちが届いてほしい。


この本は特装版で約3000円する。正直高い。最初に言った通り長濱さんのことを全力で受け止める覚悟が無ければ読めないのでフラっと軽い気持ちで読んでみようなんて人には買うことは正直オススメしない。僕は内容も知らずなんとなく買いしんどい思いをしながら読んだからこそオススメしない。それでも僕はこの本に出会えて良かったと思っている。そうじゃなければおそらく軽く感想をツイートだけしてわざわざ何時間も掛けてこのnoteを書いたりしない。今色んなことで大盛り上がりのTLにあえてこのnoteを投下する。それぐらい心に来るものがあった。
一人が好きな長濱さん。これからも心がすり減ることがあるかもしれない。でもそんな時はエッセイに出てくる友人みたいに沢山の仲間に甘えてほしいなと思う。浅いファンの一人でしかないけれどだけど今後の活躍に期待してる応援してるし「一緒に頑張っていこう」と心からそう思います。
最後に、欅共和国で微笑みが悲しいをやるのと
98年組バンドのデビューはいつですか?

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