[Kuroi Black information]黒亜細亜 第七集/OPAL7
当初はマガジンとしてのみ音楽についてあれこれを書いていこうと始めたnoteですが、ちょっと利用について方向性をやや改め、今後自身の活動についての告知やインフォもしていこうかと思います。どれだけ宣伝効果があるかわかりませんが(笑
今回はアジア音楽を中心とするDJとして活動しているOPAL7について、NEW MIXを作成したのでそれについて紹介したいと思いますが、まずは前段でそれ以前の経緯について少し長くなりそうですが記していきたいと思います。
アジア音楽でのDJを始めた当初は以前の記事で紹介したとおり1960年代~80年代にかけての過去のアジア音楽をセレクトして、MIX としてシリーズ化している黒亜細亜では第一集~五集まではそうしたヴィンテージアジアンミュージックを取り上げていました。
その後2018年に発表した第六集では、一変してヒップホップやトラップ、ベースミュージックなどここ10年くらいの現行のダンスミュージックにシフトしました。
移行した理由は色々あるのですが、一番大きなきっかけは、(大阪で)自身で企画している『Vintage&Groovin'』というイベントにゲストとして出演頂いたDJユニット"Soi48"がプレイした、近年タイで爆発的人気のダンスミュージック"サイヨー"(当時日本ではほぼ知られていない音楽でした)をはじめアジアのヒップホップやトラップ、EDMなどを聴いて衝撃を受けたことでした。
とはいえ、当初は情報もほとんどなく言葉の壁もありネット検索も難しく思うような音楽はなかなかみつかりませんでした。そんな中でも、タイは彼らが既に先行で色々集めているし、ならば日本ではおそらくまだほとんど聴かれてないと思われたベトナムやカンボジアなど特に注目して探していました。ようやくまとまった音源が集まりDJでも現行サウンドにシフトしていき満を持して制作したのがこの第六集でした。
なお、本作は昨年末に刊行された『ele-king』の2019年ベストアルバムの中で"Wool&ThePants"の徳井悠氏に選出頂いてました。
一口にアジア音楽、それもダンスミュージック・クラブミュージックの中でも様々なスタイルがあり、現地のヒットチャートを賑わすものや欧米の音楽を巧みに取り入れたスタイリッシュで都会的なものまで想像以上に幅も広く驚いたのですが、個人的な指向としてアンダーグラウンドなものやインディペンデントなどのオルタネイティブな音楽、更には現地の文化や音楽と融合したようなローカライズされたものに興味があり、各種SNSやブログなどを探しても日本人でこの辺をチェックしてる人はリスナーもDJもほぼいない状況でした。
しかしながら、昨年あたりから"Soi48"や彼らと新たなDJクルー"OMK"を始動した"Young-G"や"MMM"らの活躍によりタイやカンボジアについては徐々に認知されてきて、彼らの主催するパーティー『ADM1317』や各地へのツアー、現地のラッパーやDJクルーの来日などによりリスナーも徐々に増えてきているようですし、また韓国や中国は隣国ということもありかつてより音楽シーンの交流もあるのでそれなりに色々知られていますし、以前より盛り上がっていたインドネシアの"ファンコット"はクラブを中心に現在も人気があるようです。
一方、ベトナムのインディペンデントなダンスミュージックは私が知る限り未だほとんど認知されてませんが、その一方で加速度的に進化しクオリティも格段に高まっています。更には、民政移行でこの10年で文化的にも開放されてきたミャンマー、インドやベンガル地方など南アジアにも注目すべき新鋭のクリエイターやパフォーマーが続々と登場しており、それらの近年の曲をセレクトしてこのたび第七集を作成しました。
本作は第六集でセレクトしたような音楽シーンを更に深堀りし、中国内陸部やミャンマーに伝播したダブステップやグライム、タイ発のサイヨーが各地へ派生して誕生しているローカルダンスミュージック、また深化著しいベトナムやタイやラオス、インドのヒップホップやトラップなどなどダンスミュージック視点でみた現在の亜細亜音楽絵巻のような内容になったのではないかと思います。
取扱店様は以下となります。(2020年5月25日現在)
JET SET(京都、東京・下北沢)
Newtone Records(大阪)
タラウマラ(大阪・東淀川)