見出し画像

映画大好きおじさん、アニメ映画「映画大好きポンポさん」を観た人に薦めたい「実写の映画」を5本貼っていく

本日15時からNHK Eテレで放送された「映画大好きポンポさん」。
タイトルからも分かる通り、映画を題材とした「創作にまつわる夢と狂気」を主題に据えた同名原作漫画を映画化した作品です。

新シリーズも今月発売。

ネトフリにも配信開始。

映画を観終わったであろうTLで「アニメやっぱ良いな~」「実写映画(特に邦画)、頑張ってくれ!」的な書き込みをチラホラ見かけましたし、そう思うこともわかるんですが、「最近の映画はすごいんだぞ~~~!!」という話をしたくて勢いでこの記事を書いてます
前置きが長いので、早速あげていきます。

蜜蜂と遠雷

(Netflix、Hulu、U-NEXT配信中)

個人的に今一番注目している監督の石川慶さんの長編2作目。
昨年は「ある男」を公開されて、本年度の日本アカデミー賞でも有力候補になっています。

ポンポさんで映画に興味を持った人に、まず一番最初に観てほしい作品。

  • ポンポさんの劇中劇「MEISTER」のような音楽を主題にした作品で入り込みやすい。カメラワークにも類似点があって楽しめるかと。

  • 監督の石川さんが自信で編集も行う方なので、ポンポさんの方の主人公ジーンくんに通じるものがある。

  • ともかく画面が美しい作品。ポンポさんでも監督の平尾さんのこだわりが光った魅力的な画面が多いですが、本作は石川監督と名タッグとも言える撮影監督のピオトル・ニエミイスキさんの「邦画らしくない」画面が本当に良い

  • 創作とある種地続きだと個人的に思っている芸術。そういう点で「映画」と「ピアノ」という違うようで近い題材を、巧みな「映画的技法」を使って、「芸術と才能と狂気」感を伝えてくる作品

上記の理由で、本当にオススメです。
是非。

ハケンアニメ!

(Netflix、U-NEXT配信中)

2022年で5本上げろと言われたら個人的に絶対に入る作品。
2010年の同名小説が原作の「アニメの現場」で行われる熱いオシゴトもの映画。

ポンポさんの方は実写映画の現場でしたが、こちらはTVシリーズアニメの制作現場を題材にしている作品
題材も相まって「シロバコ」を思い出す人もいそうですが、あれを2時間程度の尺に、ぎゅぎゅっと人間ドラマとして詰め込んだような作品です。

予告を見てもらえればわかる通り、「刺され、誰かの胸に。」という思いから、ライバル関係の二人の監督を中心に群像劇風に様々なスタッフの思いが交わっていくのがグッと来ます

創作の世界はホンマに夢と狂気やなぁ~という感じです。

セッション(原題:Whiplash)

(U-NEXT、Hulu配信中)

邦画が続いたので、洋画も。
原作のポンポさんがあげていた好きな映画の一本。自分も大好き。

上映時間も100分程度で観客に優しい。
※なお、内容は一切優しくない

ラスト10分の演奏シーンのために、残り90分が構築されている作品のため、途中飛ばしたくなるぐらいツライのをグッと堪えてください
ジャズドラマーを志す主人公の青年が、ハラスメント・体罰バチバチで何人もダメにしてきた鬼教師と出会ってしまって...…という話なので、本当にツライ。でも飛ばさずに観て。

ゲームの大乱闘スマッシュブラザーズのディレクターの櫻井さんも、「リターンのために、リスクを用意することで面白くなる」的な話をしていますが、本作はラスト10分のリターンのために90分のリスクを負う映画です。

ツライけど、最高。

ようこそ映画音響の世界へ

(アマプラ、Netflix、U-NEXT配信中)

ここまでは普通の映画でしたが、映画が好きな人のためのドキュメンタリー作品をここで紹介を。

サムネイルにルーカスが映ってる時点ですでにすごいんですが、アメリカ映画における「映画の音」の仕組みや歴史を丁寧に紐解いて解説してくれている作品

すごく見事なまとまり方をしています。
知識欲ある人は、「ほへ~~~!!」っと楽しめるかと。
音楽って大事なので劇場で見たい作品ですが、ドキュメンタリー作品の性質上自宅でみるほうが良いかもなので、オススメしやすいです。
是非。

NOPE

ラスト一本紹介する作品をクソほど悩んだ結果、2022年上映新作の中でも個人的にピカイチだったものを。

映画館という上映媒体の仕組みを利用した、映像・音響ともに最高クラスのB級ミステリーホラーの皮を被った、「映画」の映画
その関係で、国内では109大阪エキスポシティか池袋グランドシネマサンシャインのIMAXで復刻上映が来たら、迷わず観に行ってほしい作品です。

ハリウッドに撮影用の動物を貸し出すための牧場で、主人公兄妹の父親である牧場主が「空から振ってきた5セント硬貨に命中して死亡する」という、なんとも不可解な「非常に不幸な幸運」を経験することで物語が動き出していく作品。

  • この手の「UFOもの」の鉄則とも言える、「UFOを予告で見せない」を予告編の段階で思いっきり破ってくるのに、本編でのUFOそのものが予想を超えてくる面白さ

  • 観客の「観る」「視聴する」という行為そのものに対して切り込みにいくテーマ性

  • 出てくるキャラクター達の抱えてる個性・癖ともいうべき「内なる狂気」が、映画業界の闇を垣間見るような感じができてめちゃくちゃ良い

  • AKIRAの影響ってすげぇんだなぁ...…

どうしてもホラー要素のある怖い作品ではあるので、休み休みでも良いので是非観てほしいなと。


以上、5本でした。
多分おすすめするにはだいぶ特殊な作品を薦めてると思うので、「そうじゃねぇ!」って人がいましたら、こういうnoteを是非書いてください・・・!!