袴田事件の無罪判決に寄せて

「袴田巖さんの再審で、9月26日、静岡地裁が無罪判決を出しました。判決では捜査機関による証拠のねつ造も認定されました。事件を担当した静岡県警の元捜査員は記者の問いかけに自宅のドアを閉ざし、何も語りませんでした」

こういう追跡取材、すっごく大事だと思う。戦犯や元内務官僚や特高にもこういうことが出来ていたら、首相を含むのちの自民党議員は誕生しなかった可能性がある。中にはそのまま世襲議員になる例もあり、戦前の旧悪は現在にも影を落としているのではないかな。
戦後の悪事で孫を殺された岸信介(元戦犯)とかね。
今からでも遅くないから「死に得」を許してはならない。

冤罪映画の古典的傑作『真昼の暗黒』(今井正監督、橋本忍脚本、現代ぷろだくしょん制作)は1951年に発生した「八海事件」を扱った実録犯罪劇だが、捜査員たちが容疑者を武道場に連れてきて動けなくなるまで代わる代わる投げ飛ばす場面がある。
これが当時の「取り調べ」の手口。(俳優さんの熱意が伝わってきて見ている方も胸が熱くなる。そして制作の趣旨に賛同したスタッフ、キャスト陣はかなり豪華)
実はまだ最高裁の判決が出る前のタイミングで公開され、容疑者が面会室の金網にへばりついて「まだ最高裁があるんだ!」と叫ぶラストシーンは映画ファンの間ではあまりにも有名で、実際そのあと逆転無罪になりました。
日本映画ファンの間では今井正監督を知らなきゃモグリだし、橋本忍の代表作を即座に5本上げられなきゃファン失格だし、現代ぷろだくしょんは今なお有名俳優がギャラ度外視で出演を希望する伝説的制作会社である事を知らない人はいない。(現代ぷろだくしょんの最新作『わたしのおかあさん-天使の詩-』はhttps://www.gendaipro.jp/mymom/)

でもねー。正木ひろし弁護士の精力的な活動を描いた作品でもあり、日本を代表する冤罪映画のレジェンドでもあるんだけど、弁護士さんでもご存じない方が多い印象で。冤罪事件の社会的告発や冤罪被害者の支援活動を行っている活動に携わっている方の間でもあまり知られていないのが残念。

繰り返すけど、日本映画の古典的傑作だからね!

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